
▲2010年からコーチと共に進めているメソッド、その内容とは
腕の力で馬を動かしたことは一度もない
今振り返ってみれば、2011年に全国リーディングを獲ったといっても、技術的な面ではまだ基礎を学んでいる段階。10段階のプログラムだとすれば、ようやく5段階目に到達したころだったと思う。もちろん、その時々でベストは尽くしていたし、ルーラーシップ、レーヴディソール、ジョワドヴィーヴルなどと出会うなかで、自分の変化は感じていた。
今、取り組んでいるメソッドについては、これまでにも折に触れ書いてきたが、今一度、自分がこのメソッドを通して何を目指し、どういうことに取り組んでいるのか、ここに記しておきたいと思う。
まったく興味のない人には、正直、退屈な話かもしれない。だが、ジョッキーがレース中に何を考え、どんな動きをしているのか、その動きを会得するために、どんなことに取り組んでいるのか、そういうことも知ってほしいと思うし、知った上で競馬を観たら、また違った視点で競馬を楽しんでもらえると思うから。
何より、そういうことを伝えられるのはジョッキーしかいない。もちろんこれは自分だけの話ではなく、その方法や目指すところは違うかもしれないが、みなそれぞれのやり方で技術向上に取り組んでいるのは言うまでもない。
以前にも書いたが、このメソッドのスタートは、スキーのジャンプ競技で飛び出すときのような動きだった。最初は“なぜこの動き?”と思ったが、段階を経てわかったのは、馬のトモ(後肢)から