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桜花賞有力馬の強み&弱みと気になる穴馬

  • 2015年04月10日(金) 18時00分


◆ルージュバックにマイナス面があるとしたら…

 今年の桜花賞、注目はなんといってもルージュバックだ。すべて完勝で3戦3勝、牡馬相手に重賞も勝ち、ここは1番人気が予想される。

 このルージュバックにマイナス面があるとしたら何だろう。能力の絶対値は間違いなく高い。なにかあるとすれば展開への対応力だ。これまで手ごろな頭数でスロー寄りの競馬ばかりを経験してきただけに、最後の1〜2ハロンでどっと時計がかかるような競馬に対応できるかは未知数。また、伸び伸び走ったほうがいいタイプだけに、包まれた場合も少し心配だ。

 個人的にはこれまでと異質な競馬をさせられることを意識し、本命にはせずヒモには入れるくらいの構えでいきたい。仮にここを展開我関せずの構えで勝ってしまうようなら、二冠は約束されたようなものだろう。

 重視したいのは、例年と同様にチューリップ賞組。しかも負け組だ。レッツゴードンキは前走がいろいろ下手を打った競馬。今回は内寄りの枠を引いたし、阪神JFのような競馬ができると期待する。追い切りもそのような競馬を意識した、前に壁を作るものだった。

 アンドリエッテはディープ産駒で道悪がマイナスに働くかと思ったのだが、よく外を伸びてきた。今回良馬場でやれればさらに前進の可能性もあるが、先週不良馬場で使われた後なので、パンパンの良とまではいかないかもしれない。

 勝ってきたココロノアイは、前走の馬場が血統的にも向いた感じ。阪神JFも好走しているので確実にこの世代上位の1頭だが、あとはオッズと相談しつつ扱いを決めたい。

 大敗組ではクルミナルコンテッサトゥーレ。ともに前走は馬場に殺された格好。クルミナルは桜花賞と相性の良いエルフィンSの勝ち馬という点が魅力。コンテッサトゥーレは前走もある程度まで踏みとどまっているのでそこはよいのだが、今回はこのコースで良くない、極端な内枠を引いてしまった。

 フィリーズレビュー組ではこれも無敗でクイーンズリングが挑むが、やはりフィリーズレビュー組の不振が気にかかるところ。前走は前崩れの展開で、それもプラスだった。

 大穴ではムーンエクスプレスが面白いが、ルージュバックやレッツゴードンキを買う前提だと、ここまで手が回るかどうか。ダメ元の複穴として一応名前を挙げておく。

 クイーンCからも無敗でキャットコインが来る。3走の中でいちばん着差をつけたのが完全な前崩れのひいらぎ賞。そう考えると、今回も展開次第ではという印象。タイプ的にはルージュバックとは組み合わせになりづらく、クイーンズリングとはなりやすいのではと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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