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皐月賞の有力各馬をステップレース別に斬る!

  • 2015年04月17日(金) 18時01分


◆まず意識したいのは展開・流れ

 皐月賞を考えるうえで意識したいのは展開、あるいはレースの流れ。いまのご時世スローが多くなりがちだが、皐月賞は数のうえでいうと平均ペース、それもやや速く流れる平均が多数派となる。しかも先週とんでもないスローGIがあった直後だけに、ジョッキーも早めの競馬を心掛けるだろう。

 そうなると、人気どころで有利なのはサトノクラウンではないだろうか。デビュー戦と東スポ杯は上がり重視のレースだったが、前走は一転して後半だけとはいえフラットなラップ。違うタイプのレースをこなしてきたのは強みだ。

 当時の2着馬ブライトエンブレムも展開ということでは楽しみな馬。ただ、最内枠を引いてしまったのは微妙。前走のように外を回してはアタマまではない。一か八かインか中割りの競馬を試みて、失敗したらあきらめるくらい腹をくくったほうがよいのではと思う。

 当時3着のタガノエスプレッソも含めて、今年は弥生賞組を重視したい。

 一方、スプリングSは13秒台のラップが前半に登場するスローだった。キタサンブラックは明らかにその恩恵を受けた1頭。2戦目の東京では上がり勝負でない勝ち方をしているが、中山&高いレベルで同様の競馬ができるかどうかが問題だ。

 リアルスティールは明らかに能力は高そう。ただ、デビュー戦と共同通信杯は上がり3ハロンだけにフォーカスした競馬、前走は4ハロン脚を使っているが前半はゆっくり。消耗戦になったときに対応できるのかはあくまで未知数。ディープインパクト産駒であるだけに、対応できないパターンもある程度は想定しておく必要があるだろう。

 ダノンプラチナもディープインパクト産駒だが、2000mを乗り切るスタミナがあるのだとすれば、道中緩むところがほとんどないマイル戦を経験してきたことが生きると見る。ただ、2000mが本質的に長かったということはありうるし、前半が厳しいとその危険は増す。

 若葉Sはときどき穴を出すレースだが、今年は勝ち馬が不在。毎日杯組ではやはり勝ってきたミュゼエイリアン。持続力勝負は良いと思う。ただ、2〜5戦目の結果を考えると、強さの絶対値が足りないという可能性も考えなくてはならない。

 他ではドゥラメンテがある程度人気になりそう。前走あの折り合いで2着に来たのだからやはり能力は高い。ただ、中山よりは東京向きか。個人的にダービー候補と思っているのだが、「皐月賞に使えてしまった」ということがどう作用するか、勝手ながら少し心配している。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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