「辻三蔵」御用達厩舎の注目2歳馬リポート(辻三蔵)
◆今回は文字数の関係で泣く泣く取り上げられなかった「こぼれ馬」について紹介します
全国ウン千万人のPOGファンの皆様、おまっとさんでした。今年も『POGの達人2015-2016』の発売シーズンになりました。
今年の「注目厩舎リポート」の担当厩舎は小島茂、大竹、尾関厩舎。開業以来、取材を続けている「辻三蔵」御用達厩舎で固めています。
「注目馬」に関しては『POGの達人』誌上に掲載しているので、今回は文字数の関係で泣く泣く取り上げられなかった「こぼれ馬」について紹介したいと思います。
大竹厩舎の2歳馬入厩「第1号」は母ハッシュバンバン(牡/父アサクサキングス)。4月17日に美浦トレセンに入厩しており、19日には「坂路入り」を始めています。
セレクトセール1歳で2808万円で落札された良血馬。兄姉5頭中4頭が勝ち上がる堅実な血統が魅力です。
兄姉の成績を調べると、ローンジャスティス(父グラスワンダー)がダ1700〜1800mで3勝、カミダノミ(父ファルブラヴ)は中央芝1600〜1800mで2勝、デルマネコムスメ(父ダイワメジャー)がダ1150〜1200mで3勝と適性条件に違いがあります。
母系は父の長所を引き出す傾向なので父が菊花賞馬アサクサキングスなら、芝中長距離戦が得意舞台になるでしょう。
「1歳時から馬っぷりの良さが目立っていましたし、見栄えがする好馬体が魅力ですね。父は2歳時に東京で2勝しているので順調に調整が進めば、6月の東京開催でのデビューも視野に入れています」と大竹調教師。
母ワシントンシティ(牡/父ディープインパクト)は大竹厩舎ゆかりの血統。兄にオープン馬のラトルスネーク(全5勝)がいますが、大竹厩舎では兄姉のタイダルベイスン(現1勝)、ハワイアンスマイル(未出走)、ペブルガーデン(未勝利)の3頭を管理していました。
中でも思い入れが強いのは2歳秋の新馬戦(東京芝2000m)で3馬身半差の圧勝劇を演じたタイダルベイスン。脚部不安で2度の長期休養があり、なかなか本来のパフォーマンスを発揮できませんが、潜在能力の高さは「オープン級」とも言われていました。
「兄のタイダルベイスンは新馬戦を勝ちましたが、血統的には晩成型の印象があります。現時点での馬体重は500キロ台と全姉のペブルガーデンよりも一回り大きいですし、体がシッカリしてくれば必ず走ってくれると思います。成長過程を見ながらジックリ育てたいですね」。大竹調教師の言葉からも期待の大きさを感じます。
尾関厩舎の今年の2歳世代は粒揃い。母マイネカプリース(牡/父ストーミングホーム)は昨年のスプリンターズSを勝ったスノードラゴンの半弟。「多少煩い面はありますが、勝ち気な性格は兄と良く似ているので心配ないと思います。順調に調整が進んでいますし、2歳夏にデビューした兄同様、早い時期からの活躍が期待できそうです」と尾関調教師。父ストーミングホームはサドンストーム(15年シルクロードS2着)、ティーハーフ(13年葵S1着)を出しており、兄と同じく芝短距離路線が主戦場になりそうです。
母アスペングロー(牡/父Unbridled's Song)は馬主のグリーンファームと相性が良い「ファシグティプトン・フロリダセール」で購入された米国産馬。父は交流重賞7勝のラヴェリータを出したUnbridled's Song。母は現役時代に21戦14勝(米国)の戦績の持ち主。「調教映像を見ましたが、フットワークに無駄がなく、小気味の良い走りが印象的です。米国産馬らしい、スピード感溢れる動きが魅力ですね」と期待を込める即戦力タイプです。