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地味ながら配合光るディープ産駒マイネルオルデン

  • 2015年02月11日(水) 12時00分
アマラントカット(牝 美浦・斎藤誠 父ゼンノロブロイ、母プリンセスカット)
 半兄ネオヴァンドーム(父ネオユニヴァース)はきさらぎ賞(GIII)の勝ち馬。母プリンセスカットは未勝利馬だが、ジェミードレス(02年府中牝馬S-GIII・2着)の全妹で、なおかつタスカータソルテ(重賞3勝)とテイラーバートン(10年フェアリーS-GIII・3着)の4分の3姉にあたる。「ゼンノロブロイ×トニービン×ノーザンテースト」はギンザボナンザ(10年アネモネS-OP)と同じ組み合わせ。芝中距離向きのオーソドックスな好配合馬なので期待できる。

カレンオプシス(牝 栗東・平田修 父サムライハート、母ピラミマ)
 母ピラミマは現役時代未勝利に終わったものの、繁殖牝馬としてはきさらぎ賞(GIII)2着のバンドワゴン(父ホワイトマズル)、現1000万条件のナンヨーカノン(父フジキセキ)などを送り出して成功している。本馬の父サムライハートは、父サンデーサイレンス、母エアグルーヴ(年度代表馬)、全姉アドマイヤグルーヴ(03、04年エリザベス女王杯-GI)、半兄ルーラーシップ(12年クイーンエリザベス2世C-香G1など重賞5勝)、甥ドゥラメンテ(14年セントポーリア賞-3歳500万下)という超良血。母方のMr.Prospector、Seattle Slew、Rivermanは父にはない新たな活力だけに好ましい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

キャンベルジュニア(牡 美浦・堀宣行 父Encosta De Lago、母Melito)
 母Melitoは現役時代、オーストラリアの短距離路線で活躍し、T.J.スミスS(豪G1)、ウィンターS(豪G1)など4つの重賞を制した名牝。本馬が初子となる。父Encosta De Lagoはオーストラリアで2回リーディングサイアーに輝いたスピード型の名種牡馬で、Sacred Kingdom(09年香港スプリント-香G1)など多数の活躍馬を送り出している。「Encosta De Lago×Redoute's Choice」の組み合わせからはAdmiration(12年香港クラシックマイル-香GI・3着)が出ている。本馬はSir Ivor 5×5と日本向きの素軽いクロスを持ち、3代母Pampas FireはMajestic Prince=クラウンドプリンス3×2という全きょうだいクロスを持っている。手堅い好配合馬でマイル以下で活躍しそう。

スズカファイン(牡 栗東・橋田満 父スズカフェニックス、母スズカフォイル)
「スズカフェニックス×フレンチデピュティ」の組み合わせは、父の代表産駒マイネルホウオウ(13年NHKマイルC-GI)と同じ。母スズカフォイルはダートを主戦場として準OPまで出世した馬で、初子のスズカプリティー(父スズカマンボ)はダートで勝ち星を挙げた。おそらく本馬も芝よりダートのほうがいいタイプだろう。従兄弟のホッコータルマエはあらためて説明するまでもない現役最強のダートホース。すでにチャンピオンズC(G1)をはじめ8つのGI(JpnI)を制している。その域に達するのは容易ではないが、配合的に優れているので上級クラスまで出世しそうだ。

マイネルオルデン(牡 栗東・西園正都 父ディープインパクト、母マイネトゥインクル)
 母マイネトゥインクルは芝中距離で準OPまで出世した。繁殖牝馬としては本馬が初子となる。本馬は「ディープインパクト×ムタファーウエク×サッカーボーイ」という泥臭い血統。母の父ムタファーウエクはRoberto系で、ディープインパクトは同系との相性はもうひとつではあるものの、その母の父がディープと相性抜群のCaerleon。また、母方の奥にはこれも父と相性がいいチャイナロックを含んでいる。母方にチャイナロックを持つディープ産駒は出走した7頭中5頭が勝ち上がっている。ヴァンセンヌ(15年東京新聞杯-GIII)、アデイインザライフ(14年弥生賞-GII・3着)、ヤマノウィザード(14年青葉賞-GII・3着)、ベストクローン(準OP)、レガッタ(2戦1勝)という才能あふれる面々で、本馬はここに加わる可能性がある。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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