「いい馬ですよ」と安田師、今週入厩のゴレラの13/吉田竜作マル秘週報
◆安田師「体重は440キロくらいでしょうが、線の細さを感じさせないし、落ち着きもある」
2歳馬の調教ゼッケンの数字がここにきてようやく大きくなってきた。11日には「26番」(牡=父プリサイスエンド、母ルナクィーン・森)までだったのが、15日には一気に「72番」(牡=父デュランダル、母ディアン・福島)にまで増えたのだ。
これには裏がある。15日に北海道浦河町の軽種馬育成調教センター(BTC)で「産地馬体検査」が行われ、そこの受検馬に一斉に番号が割り当てられたため。一気に飛んだ間のゼッケン番号の馬たちはまだトレセンには在厩しておらず、70〜72番の3頭が栗東に直接入厩してきたという状況だ。
なかでも「71番」は母シーイズトウショウ(牡=父ダイワメジャー・角田)という血統馬で、POGでも人気を集めることが予想される。
昨年、当コラムで紹介した半兄トウショウピスト(父ヨハネスブルグ)は新馬戦を快勝したものの、デビュー前から懸念された気性難が災いして、ようやく先週2勝目を挙げたばかり。だが、この弟にはその心配もなさそうで、「上と違ってどっしりしている。思っていたよりもおとなしい馬だよ」と角田調教師もどこかホッとした表情に見えた。順調なら新馬戦の幕開け開催となる3回阪神でデビューとなりそう。2歳戦開幕早々に母シーイズトウショウ(芝の短距離重賞5勝)譲りのスピードを見せてくれるのではないか。
ゲート試験を受ける馬たちも少しずつだが増えてきた。坂口厩舎では16日のロイヤルクルーズ(牝=父ヴィクトワールピサ、母ロイヤルミント)に続き、翌17日にはデンコウエラ(牝=父スウェプトオーヴァーボード、母ゴールドポイント)も合格。先に合格したカノヤルジャンドル(牝=父クロフネ、母カノヤトップレディ)を含め、これから本格的に調教をやっていくことになる。
「ロイヤルクルーズは入厩当初に比べてだいぶおとなしくなってきましたし、カノヤルジャンドルも清山さん(エイシンオルドスらを担当する腕利きの助手)の担当馬だからバリバリ乗っていくと思いますよ」と坂口助手。坂口厩舎の3頭もそれぞれ6月デビューに向けて切磋琢磨していくことになる。
ゴールデンウイークも直前。多くのお父さん方は頭が痛いところだろうが、牧場にいる若駒たちも緊張の時を迎えている。全国的に大渋滞となる黄金週間を避けるようにして、その直前と直後に北海道から本州の両トレセンへ2歳馬たちが大挙してやってこようとしているのだ。高速道路などで馬運車を見た際には、どうか温かい目で見守ってあげてほしい。
その大連休の前となる今週、安田厩舎にもいよいよ2歳馬の第1陣がやってくる。母ゴレラ(牝=父キングカメハメハ)と母ルミナスポイント(牡=父ハービンジャー)の2頭だ。
「母ゴレラはいい馬ですよ。体重は440キロくらいでしょうが、線の細さを感じさせないし、落ち着きもある。母ルミナスポイントはお兄ちゃん(ルミナスウイング)もウチにいるのですが、顔がそっくり。この馬も上と同じように芝、ダートのどちらもこなせるといいですね」と安田調教師もメガネの奥の目を細める。
本紙の特別号「ザッツPOG」(5月14日発売)の入稿作業もいよいよ佳境に。2歳馬の動向とともに、こちらの出来上がりも楽しみに待っていただきたい。