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ダービー直前! 亀谷×小島が「東京競馬場の馬場」をしゃべりつくす!(2)

  • 2015年05月28日(木) 17時59分


亀谷×小島対談の“良いとこどり”な動画はコチラ



例年よりも差しが決まっていた2回東京開催前半



小島 話を東京に戻しましょう。同じ事が東京にも言えると思うんです。東京は京都よりも前からシャタリングマシンをやっているわけです。だから東京もだんだん軟らかくなってきている。その影響で昨年ほどは時計が速くはないのではないでしょうか。逃げ切り勝ちが減ってきて、先行から中団のある程度決め手を使える馬が勝ち切るというケースが多いですよね。

亀谷 なるほど。

小島 で、肝心のダービー週の馬場がどうなるかというと、今度は芝がCコースに替わります。
ヴィクトリアマイルの週から2週間はBコースを使って、今度はダービーの週からCコースに替わります。最内から6メートルのところに移動柵が来ますので、Bで傷んだところもカバーされますから、またプチリセット状態になるわけですよ。で、ダービー、よく亀谷さんも言いますけど、やっぱりダービーは1枠

亀谷 ただし、去年より馬場が軟らかくなってきている。今年も1枠が走るのか?

小島 そこはポイントになるんでしょうね。去年までの傾向だと、キズナ(13年)、ワンアンドオンリー(14年)、ウインバリアシオン(11年)、エイシンフラッシュ(10年)、馬券で絡んだのは1枠の馬が多いですから。

東京競馬場


亀谷 特に去年は内枠に尽きました
ただ、例年と馬場の傾向が変わっても、内有利の傾向は続くのでしょうか?
まず僕個人の印象を言わせてもらいます。
今開催も、日曜は例年通り速い馬場になる傾向が続いていると思っています。それは(気温が高くなる春から夏にかけて芝コースで行われる)散水(水撒き作業)と関係があるのでは?
ここで、散水について小島さんに確認させてください。
基本的に天気予想が晴れで気温が高い日が続いていれば、水は毎日撒くという方針なんですよね。馬場保全のために。

小島 まあ、実際の天気と予報を確認してですけど、そういう傾向にあるという事ですね。

亀谷 大事なのは、傾向にあるということ(笑)ほら「晴れなら必ず撒く」ってここで言っちゃうと……

小島 それは違いますよね。

亀谷 今度は「何で晴れているのに水撒かないんだ」ってJRAに苦情を言う人がいるから(笑)芝の状態を見ながらということで、基本は「晴れたら(水を)撒く」という方向ではあるわけですね。

小島 (気温が上がる)春から秋にかけての時期は晴れていれば、毎日(芝コースに)散水することはある意味普通の事ですよ。

亀谷 そうそう、基本行動ですよね。どの馬のために。とかじゃないですよね(笑)

小島 (散水は)芝の生育のためです。

亀谷 ただ、僕が思うに、日曜になると、その水分が抜けて行く印象があるんです。なんか地下に水がみんな抜けて行っちゃうというか。

小島 土曜日も散水が必要と判断されれば、散水は土曜の夜にもします。だから、それは亀谷君の個人的な印象だと思います。

亀谷 そうかな? たとえば、ヴィクトリアマイルの時もそうでした。これは土曜が雨で日曜が晴れだったから(適例ではないんだけど)……
(最近の東京芝は)土曜が仮にちょっと例年より内先行有利じゃないぞ、という印象を受けても、日曜日は水が抜けていって内先行が有利になるものだと僕は思い込んでいるんです。だから、日曜日は例年通り時計が出るので、例年通りの傾向でいいと予想しています。

小島 私は日曜日に時計が出るとは思っていないですが、亀ちゃんが思うのは自由ですから。

亀谷 ええ、思うのは自由ですよね(笑) でも、土曜は「例年の東京芝と違うな」って思うことが多いんです。

東京競馬場は水はけが良い



小島 (さきほど解説したように)馬場がだんだん、軟らかくなってきていて、時計もある程度出るけど、少しかかることもある。(そんな中で結果として)中団から先行の差しタイプが結構きている。
だから傾向としては内で流れに乗れる内枠の馬はチェックしたい。先行から中団で流れに乗れて、ある程度の決め手を使えるような馬が軸にいいんじゃないかなって思います。だから、やっぱり後方一気の馬を軸にするのは、ちょっと……。今の馬場は傷みにくくなっているので、大外からだと届きにくいですよ。

亀谷 なるほど。

小島 先行から中団で流れに乗れて、直線で2分どころとか、3分どころに出して伸びてくるという馬が勝ちパターン。(ヴィクトリアマイルの)ストレイトガールはペースが特殊だったので一概には言えないんですけど、4番手のインの絶好位でしたからね。それで逃げ馬をかわした競馬。ただし、ヴィクトリアマイルは特殊なレースでしたが。

亀谷 ヴィクトリアマイルは、レースが特殊というのもそうだけど、(土曜が雨で水分が残って外差しでも)「日曜に晴れるとこんなに時計が出て内が伸びるんだ」という印象を改めて思いました。

小島 確かに東京競馬場は水はけが良いです。東京競馬場水はけが良いのは、この暗渠管(あんきょかん)という排水管を通しているからなんですね。これを路盤の下の方に10メートルピッチで1周入れているんですよ。なので、やっぱり水が抜けやすい。

暗渠管

▼暗渠管※写真は中山競馬場のもの



亀谷 ここ大事ですね。暗渠管のおかげで馬場が乾くのが早い。それを知った上で、改めて散水について一応確認します。
土曜日に晴れて、日曜日も晴れという予報が出ているとします。気温もある程度高め。という天気予報の場合、土曜のレースが終わった後に(芝に)水を撒くんですか?

小島 天気が同じで気温も同じ? そうですね、ほぼ同じ量の散水をすると思いますよ。でも、土曜日に競馬が終わって、気温は上がったけど、そんなに含水率が低くならず、馬場が乾かなかった場合は散水しないこともあると思います。要は、(散水するかどうかの判断は)馬場の状態と天気予報の両方を見て判断されるという事です。

亀谷 あと芝の元気さも見て。

小島 元気になるというか、芝の生育と管理に必要だと判断されれば散水しますね。だから、(散水の判断基準は)天気予報だけではなく、芝の状態も判断して、というのがやっぱりあります。

亀谷 土曜日のレース後でも撒かない時もあると。

小島 そういう日もあるでしょうね。

亀谷 月曜から木曜までの散水も改めてお聞きします。基本的に天気が晴れなら撒くんですか?

小島 気温と天候によりますけど、春から秋にかけては、月曜日から土曜日まで気温が高くて晴れが続いていれば、毎日散水することはある意味、普通のことです。

亀谷 それは、昔からの普通のことですか?

小島 そうですよ。雨が降ったら散水しないですし。

亀谷 昔よりも、水を撒く基準が積極的になったとか。そういうのもないですか?

小島 昔と同じです。散水する量も変わっていないということです。

亀谷 季節によっては撒かないことも?

小島 そうですね。冬はやっぱり気温がそんなに上がらないので散水は。

亀谷 しないんですか?

小島 回数は減りますよね。芝が生きるための散水は必要なので、現場の状況を見て判断されています。

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