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GI初出走馬の扱い

  • 2015年06月02日(火) 12時00分


今回は「古馬の平地GIでGI初出走だった馬」の過去の例を掘り下げてみた

 今週の安田記念では、モーリスが人気になりそう。ここ3走素晴らしいパフォーマンスをしている一方、GIレースははじめて出走する身。信じるか信じないか、悩んでいる人も多いことだろう。

 参考になるかどうかは分からないが、今回は「古馬の平地GIでGI初出走だった馬」の過去の例を振り返ってみよう。

 2001年以降「古馬のJRA平地GIが、GI初出走だった馬」(地方側のダートグレードGIに出走歴あり→中央のGI初出走という馬も含む)は、全部で512頭(カク地・カク外は除く)。その成績は[16-24-27-445]で勝率3.1%・複勝率13.1%。回収率は単90%・複81%だ。

 これだけだと、回収率は普通か少し良い程度、勝率や複勝率はだいぶ低いのでわざわざ買おうという話にはならない。ただ、ぎりぎりGI出走にこぎつけたというレベルの馬が数字を押し下げているのも事実。以下、もう少し掘り下げてみよう。

・1番人気馬[5-2-4-5] 単91%・複96%

・1〜5番人気馬[10-9-11-51] 単76%・複86%

・1600m戦[5-8-7-145] 単195%・複135%
→ただしフェブラリーSのコパノリッキーとヴィクトリアマイルのミナレットを除くと単30%・複64%。

・芝のみ[11-20-19-337] 単41%・複84%

・前走オープン1着馬[11-9-11-101] 単92%・複75%

・前走オープン1番人気1着馬[4-2-7-22] 単64%・複84%

 他にもいろいろ切り方を考えてみたが、回収率がプラスになるような切り方はなかった。ただ1番人気になった馬の回収率が単複とも90%だから、人気になる立場のモーリスは、少なくとも消すべき馬ではなさそう。あとはそれを軸にするのか、ヒモに入れるのみなのか、その判断になる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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