気分良く「先行する」競馬で
前回、ダート戦に転じて強い勝ち方をして復活した
メイケイペガスター(父フジキセキ)の、方向転換しての本格化に期待したい。
3歳春、共同通信杯1800mを1分46秒0。先行抜け出しで圧勝したメイケイペガスターは、皐月賞は1分58秒9(0秒9差)。キズナの勝った日本ダービーは6番人気で2分24秒9(0秒6差)だから、うまく成長カーブを描いていればずっとオープン馬として活躍していて不思議はない。
だが、行きたがる気性が災いし、距離を1400-1600mに短縮して意識的に下げるレースを展開したが、思うような結果が出なかった。
前回は4歳春に続き2回目のダート戦。格下がりして1600万下だったこともあるが、かかり気味になったので浜中騎手が迷わず途中からハナに立つと、57.5キロを背負いながら後半を「12秒0-12秒1-12秒2」。最後は馬なりにも近い脚さばきで、1分36秒3(上がり36秒3)。時計、着差が示す以上の完勝だった。
父母ともにUSA産の北米血統のフジキセキには、大のダート巧者産駒カネヒキリ、ミラクルレジェンドがいるが、共通項らしきものがあり、母方にデピュティミニスター(ND系ヴァイスリージェント直仔)の血が近いところに入っていること。
メイケイペガスターの血統構成は、祖父母の代にすると「USA産×USA産」×「USA系×CAN産」となり、祖母ラークホイッスルの父がシルヴァーデピュティ(その父デピュティミニスター)である。ダート2戦目の1600万下を快勝したように、思われている以上に高いダート適性を持つ可能性が大きい。
陣営は折り合いを心配しているコメントだが、ダートに方向転換して折り合いうんぬんはそんなに問題ではない。前回と同じように行きたがったら、行かせるのがベスト。ダートでは芝のような猛ラップを踏むことはないから、気分良く「先行する」馬にするしかない。いまさらダートでの差し馬を目ざす手はないと思える。
前回と異なり、スタートの良くないメイケイペガスターは内枠を引いてしまった。ここは誤算で、もまれて凡走の危険が生じたが、まともなレースができさえすれば、もともとオープン特別で伸び悩むような力関係ではないだろう。
単・複中心に、相手妙味は
ワンダーコロアールか。とにかく、互角のスタートを切りたい。