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ダート王道路線でしっかり稼ぎそうなカラクプア

  • 2015年06月24日(水) 12時00分
アイアンマン(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母シャイニングエナジー)
 デイリー杯2歳S(GII)で2着となったアトムの全弟で、母シャイニングエナジーはゲイムリーH(米G1・芝9f)の勝ち馬。Lyciusを通じたLyphardクロスと、Special牝系のNorthern Dancer系血脈(NureyevやSadler's Wellsなど)を併せ持つパターンは、トーセンラー(13年マイルCS-GIなど重賞3勝)、スピルバーグ(14年天皇賞・秋-GI)の兄弟と似ている。また、Mr.Prospector、Nureyev、Rahy(=Morn of Song)を近い世代に併せ持つ配合はヴィルシーナ(13、14年ヴィクトリアマイル-GI)に酷似している。配合のレベルは高く、馬のデキに問題がなければ重賞級の活躍が期待できる。芝向きの中距離タイプ。

カラクプア(牡 栗東・松田国英 父キングカメハメハ、母リリウオカラニ)
 母リリウオカラニは現役時代、芝・ダート兼用のスプリンターとして3勝を挙げた。これまでJRAで走った産駒2頭はいずれも未勝利に終わったが、本馬は配合的に評価できるので注目したい。UnbridledとDroneを併せ持つキングカメハメハ産駒なのでダート王ホッコータルマエと似ており、母方にセクレトを持つパターンはベルシャザール(13年ジャパンCダート-GI)と同じ。セクレトは「Northern Dancer×Secretariat」という配合で、父キングカメハメハはこれと似た組成の血を母方に持つ配合が成功している。ロードカナロアに入るStorm Cat、ローズキングダムに入るローザネイもこのパターンだ。ダート王道路線でしっかり稼ぎそうだ。

ディライトクライ(牡 栗東・今野貞一 父ハーツクライ、母ベルベットローブ)
 アドマイヤサガス(父フジキセキ/14年北海道スプリントC-JpnIII)、ローブデソワ(父スペシャルウィーク/OP)の4分の3弟。母ベルベットローブはコンスタントに走る馬を出しており、JRAでデビューした6頭中5頭が勝ち上がっている。芝よりもダートで良さが見られる血統だが、本馬は芝でも行けるだろう。父ハーツクライはSeattle Slewと相性が良好。本馬はこれにMr.ProspectorとSecretariatを加えた配合なので、マジェスティハーツ(13年神戸新聞杯-GII・2着)、コウエイオトメ(14年日経新春杯-GII・4着)と構成が似ている。この2頭はダートテイストが感じられる血統ながら芝で走っている、という点が共通しており、おそらく本馬も同じようなタイプとなるだろう。芝・ダート兼用の中長距離タイプ。

ブレイキングザロウ(牡 栗東・友道康夫 父ゴールドアリュール、母シーザバッドガール)
 4分の3兄デモニオ(父ネオユニヴァース)は現在ダート1勝。Grey Flightにさかのぼるアメリカの名門牝系から誕生しており、3代母Disputeは米G1を4勝した名牝で、本邦輸入種牡馬アジュディケーティングの全妹にあたる。母シーザバッドガールはStorm Cat、Seeking the Goldを併せ持つ硬質なダート血統。パワー過多といったところがあるので、芝向きの種牡馬をつけるとどっちつかずのタイプとなる危険性がある。それよりもダート向きの種牡馬をつけて強力なダート馬を作ったほうがうまくいくだろう。本馬の父ゴールドアリュールは現在のダート界をキングカメハメハとともに牽引している名種牡馬。母方にStorm CatとMr.Prospectorを併せ持つキンカメ産駒なのでレッドアルヴィス(14年ユニコーンS-GIII)に似たところがある。ダート向きの中距離タイプ。

マツリダインゴット(牡 美浦・国枝栄 父キングカメハメハ、母アロマキャンドル)
 母アロマキャンドルはスイートピーS(OP)の勝ち馬で、プレシャスカフェ(04年CBC賞-GII、05年シルクロードS-GIII)の半妹。「キングカメハメハ×フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」の組み合わせは、JRAでデビューした8頭中6頭が勝ち上がり、そのなかにはミュゼスルタン(14年新潟2歳S-GIII)、コナブリュワーズ(OP)、プレシャスルージュ(現1000万)、プロクリス(現1000万)などが含まれている。確実性が高く、なおかつ大物感も持ち合わせた配合パターンだ。3代母ブラウンアイボリーは近い世代にNorthern Dancer、Nasrullah、Princequilloを併せ持っており、これは父と相性のいいパターンなので好感が持てる。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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