今日の追い切りから「馬券圏内はほぼ手中」との印象を持った馬は…
宝塚記念が終了。ゴールドシップの出遅れに関しては、netkeibaのニュースに投稿されるユーザーの意見もいろいろと読ませていただきましたが、それぞれの立場でいろんな意見があって当然かなと思ったりします。私は「ゴールドシップを◎にしていた立場」ですが、レース当日の競馬教室(REXS)でも『アクシデントがなければ』という前置きで、ゴールドシップの三連覇が可能という見方としていただけに、今回の出来事はアクシデントだと処理しています。
しかし出遅れに関しては「調教があるのだから未然に防ぐことができるアクシデント」だという意見もあるでしょう。確かにそうかも知れませんが、これまでにも調教の段階では何もしない馬がレースだけはゲートで悪さをする、なんてケースは多々ありますし、自分で見てきました。ですから、私の中で今回の一件については、わかりやすい言葉で表現すると「仕方ない」で済ませています。
もちろん、何のアクシデントもなく、全馬が持てる力をすべて発揮できる(レースのペースなども含めて)ようなレースを多くの人が望んでいることは分かります。ただ、持っている能力通りに走ることができない可能性もあるからこそ、単勝万馬券の馬が勝つこともあるので、今回の件も含めたアクシデントについて、すべての人が納得するという答えはないと思います。
【ラジオNIKKEI賞/ナヴィオン】
8月の新馬戦を勝って、9月のききょうSを勝っているという点から、個人的には夏場の方が調子が上向くタイプではないかと思っています。よって、前走毎日杯の大敗はさほど気になりませんし、この中間はきっちりリフレッシュしていると思います。
本馬の好走パターンとしては、1週前追い切りに坂路で速い4F時計をマークし、最終追い切りは終い重点。ちなみにききょうSは1週前追い切りの4F時計が50.2秒。それに比べると、今回の1週前追い切り4F52.4秒は少し遅いので、そこは気になります。ただ、最終追い切りは併せ馬できっちり先着して、時計自体はききょうSの最終追い切りとほぼ同じ。坂路調教の本馬がコーナー4つの条件に向くとは思えませんが、この馬自身の体調は決して悪くないと思います。
ナヴィオン(6月30日撮影)
【ラジオNIKKEI賞/グリュイエール】
折り合いの難しい馬のはずが、前走コンビを組んだ戸崎圭太騎手とはスムーズな競馬。直線も慌てずに前に進路ができてから追い出しており、このコンビはかなりハマッた印象を受けました。
前走時の最終追い切りは戸崎圭太騎手が跨りましたが、1日は福永祐一騎手を背に追い切り。CWでヘミングウェイとの併せ馬でしたが、相手が走ることもあり、ほぼ同入でゴール。時計は前走より速くて、5F66.5秒。速いスピードを持続させることが得意そうな走りをしているので、コーナー4つの福島芝1800mはもってこい。あとは長距離になる輸送だけ。
グリュイエール(ゼッケン307、7月1日撮影)
【ラジオNIKKEI賞/ムーンクレスト】
デビューから11戦して掲示板を外したのが、デビュー戦のみという堅実派。追い切り本数の多いタイプではありませんが、本田優厩舎にはよくあるパターン。先行して粘り強い競馬をするという脚質も厩舎のパターンといってよいでしょう。
最終追い切りはCWで前に2頭を見て、それを追いかける形。かなり遅いペースでしたが、スピードを自在に調整できるといった感じで、ペースが速くなったところにもしっかり対応。直線最内に入ると、きっちり伸びて、楽に前を捕まえます。6F84.8秒という時計ですから、ラスト1F12.0秒も当然の数字ですが、なかなか迫力ある動き。福島競馬場までの輸送さえこなせば、上位争いできる状態でしょう。
ムーンクレスト(7月1日撮影)
【CBC賞/サドンストーム】
全弟ティーハーフが函館SSを制したことや、帝王賞でホッコータルマエがきっちりG1勝利を収めたことで、同厩舎の本馬が注目を集めることは分かっていました。それでも、1週前追い切りで抜群の動きを見せただけに、人気でも仕方ないよなと思った次第です。
最終追い切りは坂路馬場のウッドチップがたっぷりと水分を含んだ、後半の時間帯。テンをゆっくり走っているように見えましたが、それでもあとからのラップを見ると、1F目14.7秒なので、さほど遅くありませんでした。後半はギアチェンジしてスピードアップ、2F24.8秒、1F12.3秒は優秀という言葉以外ないでしょう。2013年3着馬ですから、ここは馬券圏内はほぼ手中といった感じ。
サドンストーム(6月30日撮影)
【CBC賞/レッドオーヴァル】
この中間も含め、5歳になってから安田隆行調教師が「落ち着きが出てきた」という言葉を何度も口にします。もともと気性の勝ったタイプで、それが災いして馬体重維持の難しい馬というのが、3歳春でした。しかし、現在の成績を見ると、当時の方が爆発力のある脚を使えたという見方もできるでしょう。
そんなこともあってか、今回は追い切り内容に変化。Cコースを2コーナーから出て、後ろから2歳新馬が追いかけるという流れ。しかも、最初の2Fを遅くして、時計的には4Fという内容でした。4F54.3〜1F12.7秒という数字も遅く、魅力的な追い切りをした坂路調教馬と比較すると、やっぱり評価順が低くなってしまいます。
レッドオーヴァル(7月1日撮影)
◆次走要注意
・6/27 東京 夏至S【ランドマーキュリー】(5人/4着)
実績ある中1週と東京ダート1400mでしたが、最後の直線は手前を替えず。その分、伸び切れずに4着に終わった感じ。担当の森崎助手とも話しましたが、個人的には510キロ台が動ける体重なのでは、と思っています。
ただ、同助手の話では、調教で攻めた結果の520キロ台はいいはず、ということですから、ここは数字にこだわらずに中身でしょう。ここでひと息入れるようですから、帰厩してからの攻め強化を期待しましょう。
[メモ登録用コメント] [ダート1400mから1700m]標準多め系統なら勝ち負け
・6/28 阪神 宝塚記念【トーホウジャッカル】(7人/4着)
菊花賞以来の実戦、使う予定の阪神大賞典、天皇賞春を使えずに出走となりましたが、中間の追い切りは慌てず騒がず、じっくりと。その分、きっちり中身が出来ていたと思ったので、No.1予想でも☆を打ちました。
直線はあわやのレースぶりで見せ場十分。やっぱり力のある馬だと思いますが、今後、順調に使えるようなら、次は勝ち負けでしょう。
[メモ登録用コメント] [芝2000m以上]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・【オーバーカム】
来週デビュー予定の2歳新馬。1日は騎乗予定の武豊騎手が跨って、カレングラスジョーを追いかけるCW追い切りでしたが、道中のリラックスした走りや直線の伸びは秀逸。特に追い出してから少し沈むようなフットワークは新馬らしくない走り。これは初戦から結果が出ると思いますし、きっと大舞台で活躍する器になるはずです。