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“格が要求されないレース”函館記念を斬る!

  • 2015年07月17日(金) 18時00分


◆前走はオープン特別でも十分

 函館記念は格が要求されないレース。GI戦線で戦った実績は特にプラスにはならないし、前走はオープン特別でも十分。あとは個々の馬の適性と調子による。

 トップハンデはエアソミュール。GII勝ちで58キロになるところをちょっとおまけしての57.5キロ。ハンデそのものは大きな問題にならないと思うが、問題はどのような形でレースを進めるか。函館なので前付けなのか、レースの傾向としては差しも届くのでじっくりいくか。中途半端なことにはならないようにしてもらいたいところだ。

 重賞で馬券に絡んだ履歴があるということではデウスウルトもこの中では格上。大阪杯は馬場と相手を考えると負けても仕方ない一戦だったが、前走は着差こそ小さいとはいえ久々のドカ負け。年齢的にも、ピークを超えている可能性については気をつける必要がある。

 マイネルミラノは巴賞1着で、洋芝にも適性があることが見えてきた。ただ、もともと巴賞の着順はそのまま本番に持ち越されることが少なく、順番が入れ替わりやすい。前走は展開に恵まれた面もあり、さらに今回大外ということを考えるとここを軸にはしづらい。

 巴賞の負け組では、まずレッドレイヴン。2000mをこなせることは分かっている馬だし、今回は前走ほど人気ではないので気楽にレースに臨める。ただ、穴党としては巴賞組についてはもっと踏み込みたいところ。デビュー前に相当な素質を認められていたリベルタス、2000mになるのはかなりプラスのエックスマークも検討の対象としたい。

 ラブイズブーシェは扱いに迷うところだ。キャリアハイが有馬記念や天皇賞秋の4着で、函館は昨年のこのレース優勝を筆頭に好走多数。ただ、最近の大敗ぶりを見るとさすがにしんどいようにも思える。極端な大敗はその後にも影響することがあるし、個人的には今回は静観してみるつもりでいる。

 ダービーフィズは前走の目黒記念で2番人気。函館記念は意外と差しての複穴が出るのだが、この馬はさすがに初手の位置取りが後ろ過ぎるかもしれない。岩田騎手なので、どこをどう捌いてくるかが注目だ。

 アーデントはディープインパクト産駒のわりに上がりが速くなりすぎると対応できないので、洋芝での戦いはプラスとなる可能性がある。ただ、距離は微妙に長いかもしれない。

 ハギノハイブリッドは近走の成績だけを見ると手を出しづらいが、このレースは4歳馬が強い傾向にある。プラス材料はそこか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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