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いきなり今年の函館2歳S大予想!(村本浩平)

  • 2015年07月21日(火) 18時00分


◆函館開催全てに足を運び2歳戦をつぶさにチェックしてきた自分が大予想!

 今週の日曜日(7月26日)は、今年、最初の2歳重賞であるGIII・函館2歳Sが行われる。ここまで函館競馬場で行われた開催全てに足を運び、メイクデビューだけでなく、2歳未勝利戦までもつぶさにチェックしてきた自分。ということで、今回のコラムではこれまでとは趣向を変えて、函館2歳Sの予想をしてみたい。

 というわけで、いきなり今年の函館2歳S大予想! 本命というより首位候補は3頭。いずれも函館2歳Sと同条件である函館芝1200Mを、1分10秒台前半の好時計で駆け抜けたオデュッセウス、ブランボヌール、メジェルダの3頭かと思われる。この中で注目しているのがオデュッセウス。生産はノーザンファームで、育成はノーザンファーム早来の横手厩舎となる。

 ディープインパクト、キングカメハメハといった、名馬かつ名種牡馬を送り出し、POGファンからも厚い信頼を置かれている横手厩舎。オデュッセウスを来年のクラシック候補と呼ぶには、少々使い出しが早すぎる気もしてくるが、スピード能力に長けた馬の能力を、この時期から引き出せる育成技術の高さには感服せざるを得ない。

 6月21日のメイクデビュー函館で計時した、1分10秒0という時計通りに走れたのなら今回のレースでも勝ち負けできそうなだけに、あとは枠だけ。前回は最内枠(1枠1番)から好スタートを切ったことを考えると、外だけには入らないで欲しいと思う。もし内枠から気持ちよく先手を切れたのなら、この世代最初の重賞馬となる可能性は高い。

 ブランボヌール、メジェルダの2頭は、牝馬らしい切れのある走りでオデュッセウスに挑む。2頭は6月27日のメイクデビュー函館で対戦しており、その時はブランボヌールが勝利(勝ち時計は1分10秒5)。しかし、2歳未勝利戦に出走したメジェルダは、その時よりも速い勝ち時計(1分10秒2)で勝利している。メイクデビューでのクビ差という着差を含めても、2頭は甲乙付けがたい能力を持ち合わせていると言えよう。しかも、2頭揃って父ディープインパクトの産駒というところも、横手厩舎で育成されたオデュッセウスとの奇遇な縁を感じずにはいられない。

 その他の注目馬は抜けだしてからの脚色が目立っていたメジャータイフーンと、先週の土曜日にメイクデビューを勝ったばかりのドナルチアとなるだろうか。メジャータイフーンは小国スティーブルの育成馬で、ドナルチアはシュウジデイファームの育成馬。2頭ともに春先から筋肉質の馬体が目を引き、2歳戦だけでなく、クラシックに向けて更なる成長も期待されていた。スピード勝負となれば上記の3頭との比較では分が悪いかもしれないが、開催最終週を迎え、荒れてきた馬場を味方に付けられるようだと、見た目通りのパワーで押し切ってしまうのかもしれない。

 ホッカイドウ競馬勢の3頭では、芝向きのスピード能力を持ったリンダリンダに主力となりそう。しかし、門別競馬場ダート1700Mで行われたウイナーズチャレンジ競走で、2着馬に1秒4もの差を付けた、ラプレシオーサの底知れぬ強さも気になる。父がダノンシャンティということからしても、初めての芝で苦労するとは思えない。

 そのホッカイドウ競馬だが、7月16日に門別競馬場で行われたスーパーフレッシュチャレンジ競走から、「スーパースター」が誕生した。その「スーパースター」とはライゾマティクス。Perfumeのライブ演出も行うクリエイター集団から名付けられたライゾマティクスは、門別競馬場のダート1600Mで、2着馬に2秒8もの差をつけただけでなく、1分45秒0というレコードタイムで優勝している。

 この後は8月6日に門別競馬場で行われる、H1・ブリーダーズゴールドジュニアカップへの出走を予定。思えば今年のHBAトレーニングセール2015の公開調教で、2ハロンで20.77秒(10.52秒、10.25秒)という1番時計を記録したプラススキーの2013(牡、父スウェプトオーヴァーボード)こそが、このライゾマティクスである。その時は主取りとなったが、札幌競馬場で示した衝撃の走りは、今後、門別競馬場を経て、様々な場所へ波及していきそうだ。

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