夏から秋にかけて体調の良くなる牝馬
昨2014年は変則日程で、夏の新潟は計「10週間」も行われた。その昨年から新潟の芝の傾向がかなり変化している。快速レースが当たり前だったかつてと異なり、ここ数年はクッション性の高い柔らかい芝を目ざす方向にJRAの方針は変化しているが、もっともその傾向が顕著なのが新潟。
JRA10場の中で、年間を通して野芝(改良された傷みにくいエクイターフ部分を含む)で行われているのが新潟だけなので、変化が明確なのかも知れない。
昨年、芝外回りで行われた1600m、1800m、一部の2000m戦は全部で「59R」あった。外回りでも、とくに開催の最初は、「逃げ=先行馬」がインから差し返すように粘りこむシーンが12年、13年ころまでは良くみられたが、昨年は最初から様子がちがい、およそ「40R」近くの勝ち馬が、「差し=追い込み」馬だったのである。
理由ははっきりしている。超のつくスローになった一部の2〜3歳戦をのぞき、緩い流れでもレース上がりが「33秒台前半」とか、「32秒台」になるような高速上がりのレースにはならなくなったからである。
芝(地盤)の変化で、レース全体の上がりが「34-35秒台」に変わったから、追い比べで真価発揮の鋭い切れを持つ馬にも不利がなくなり、日本で1番長い平坦の直線ゆえ、これを味方にできる差しタイプの方が勝ち負けに持ち込みやすくなったのである。この芝コンディション設定は今年も変わらないはずである。
といいながら、このレースは別で、狙いは先行の
セキショウ(父シンボリクリスエス)。単騎マイペースが望める。毎年、夏から秋にかけて体調の良くなる牝馬らしく、前回あたりからデキは文句なし。前回は全体のペース自体は楽だったものの、東京2000mは最初の2-3ハロン目の位置取り争いがきびしいから、自分のリズムの先行ではなかった。距離2000mでは2勝しているものの、東京2000mは通算【0-0-0-4】。凡走はいつものことで仕方がない。向こう正面が長い新潟なら、自分のリズムで逃げ=先行の形に持ち込める。前回から2キロ減の53キロ。たまたま相手に「鋭さこそ身上」タイプが不在の組み合わせを利したい。新潟芝は【1-1-2-1】。祖母ダイナシュート(父ノーザンテースト)、その全姉ダイナマインが代表する典型的な夏の平坦一族である。
強敵は、新潟だと別馬のように変身する
タイセイドリームと、オープンから降格の形になる4歳馬
ピオネロ。次いで、オーナーが新潟馬主会の要職にあるのでそろって出走してきた
シャドウウィザード、
シャドウダンサー。