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【特別対談(1)】北橋元調教師×福永騎手『祐一は北橋家の“長男”やから』

  • 2015年08月04日(火) 18時01分
祐言実行

▲今月は北橋修二元調教師をお招きしての師弟対談、お互いの秘めた思いをここだけで語る


普通の家庭で父親がするようなことをすべて先生が


福永 先生、今日はお忙しいところありがとうございます。今、netkeibaで僕の半生を振り返るコラムを連載しているんですが、先生と親父がどういう関係にあって、どうして先生が子供の頃から自分を可愛がってくれていたのか、肝心の原点をよく知らないことに気づいたんです。家族ぐるみのお付き合いをさせていただくようになったのは、親父がケガをしてからですか?

北橋 いや、きっかけは日迫清(元調教師)さんや。そもそも、日迫先生とわしの師匠(松元正雄元調教師)が兄弟のように仲が良くてね。それで、わしも可愛がってもらうようになって。

福永 それで先生の奥さんと日迫先生の奥さんも仲が良かったんですね。で、日迫先生の奥さんは、うちの母方の祖母のお姉さんで…。

北橋 そうそう。だから、姪にあたる裕美子ちゃん(福永の母)も日迫家に出入りしとったわけ。

福永 そこに麻雀をしにきていたのが親父で、母を見初めたっていう話を聞いたことがあります。

北橋 そうや。それで、洋一と裕美子ちゃんをくっつけようっていうことになったんや。

福永 じゃあ、先生と親父のつながりも結婚前からなんですね。

北橋 うん。なんせ13も年が離れとったから、一緒に飲み歩いたりっていうのはなかったけど、よく麻雀をしにウチに来ていたわけ。ある日、麻雀をしているうちに腹が減ったんやろうね。うちの女房に洋一が「マーちゃん、腹減った! うどん!」って言い出した。そうしたらうちの女房が、「洋一くん、うちではそれでも通るけど、人に何かを頼むときは『お腹がすきました。何か作っていただけませんか?』と、ちゃんと言わなきゃいかんよ」って叱ったの。

福永 ああ、その話は聞いたことがあります。

北橋 リーディングジョッキーという地位にいる男が、怒られたわけやからね。わしはもう来ないと思った。でも洋一は、次の日も麻雀をしにやってきた。それで、「マーちゃん、お腹がすきました。すみませんが、うどんか何かを作ってもらえませんか?」って言ったの。それを聞いてね、ああ、この男は大したもんやなと。普通はもう来んよ。その出来事をきっかけにね、余計に親しくなったんや。

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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