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クロスクリーガー、ベルーフ、アズマシャトルなどレパードS、小倉記念調教分析

  • 2015年08月05日(水) 18時00分


猛暑日が続いているこんな時こそ、馬の気持ちを察してあげる担当者の役割が重要

 猛暑日が続いて、記録的な暑さとなっている日本列島。もちろん、栗東トレセンも例外ではなく、5日の8時30分時点で29℃を記録。これに日差しの強さが加わると、体感温度はもっと高いと思います。

 私の場合は冷房の効いたスタンドから双眼鏡で調教を見るだけですが、馬の世話をする厩務員、調教をつける調教助手はもう大変。先週の小倉競馬でも熱中症のような症状で2名が倒れたという話を聞きました。「暑い」とか「苦しい」とか声に出すことができない馬にとっては、本当に厳しい季節。こんな時こそ、馬の気持ちを察してあげる担当者の役割が重要なので、パドックでもそういったことを気にかけて周回している人を見かけたら、いい結果に繋がるのではないでしょうか。

【レパードS/クロスクリーガー】

 前走JDDでは2着。ダートでは先行して崩れたことがないタイプだけに、先行有利の新潟ダートに適性がないとは思えません。調教内容に関してですが、前走、前々走は地方交流競走だったので、最終追い切りは軽い内容。ただ、3走前伏竜Sは速い時計を出していたので、今回はこれが目安になると思います。

 私の見解としての結論は3走前と同じ。5日の最終追い切りはCWでの併せ馬でしたが、6Fで80秒を切る数字。内目でしたが、通った位置も3走前とほぼ同じなので問題ありません。人気に推されることは間違いないと思いますが、崩れることは考えにくいと思います。

【レパードS/ダノンリバティ】

 今回が初ダート。これに関する適性は血統面から推測することもできますが、調教での走りや馬体を見る限り、高い適性があっても不思議がありません。問題は休み明け。骨折明けだったエリカ賞は参考になりませんが、その後はコンスタントに使われていただけに、今回の2ヶ月ぶりがどのような影響を及ぼすのか。

 まず、追い切り本数的には物足りません。8月2日に追い切り時計を出せば、きっちり6本で仕上がってくると思っていたのですが、それがない分、本数が少ないと判断しています。ただ、最終追い切りの動きは抜群。坂路4F時計は自己ベストを更新しており、動ける状態でなければ、この数字は出ないでしょうから、判断の難しいところです。もし当日の馬体重が大きく増えているようだと、それは不安材料になると思います。

ダノンリバティ(8月4日撮影)

ダノンリバティ(8月4日撮影)



【小倉記念/ベルーフ】

 皐月賞12着に対する私の見解としては、最終追い切り場所がDPだったということを、ひとつの敗因と考えています。加えて、ブリンカーを着用して追い切りましたが、なんだか「走らされている」という感じに見えました。振り返ってみると、これも敗因と考えることができるのではないでしょうか。

 それと比較すれば、Z.パートン騎手が跨っている中間の動きは非常に前向き。ブリンカーは着用していませんし(着用しているのは目を保護するためのもの)、プリンスダム、ダノンシーザーを追走して、最後に内から抜けて走りは非常に前向き。馬場入り時に立ち止まったりする気難しさは解消していないようですが、走ることに関しては全く問題ないように思います。

ベルーフ(8月5日撮影)

ベルーフ(8月5日撮影)



【小倉記念/アズマシャトル】

 鳴尾記念で後に宝塚記念を制するラブリーデイの3着と重賞で通用する力を見せておきながら、前走の1600万下を勝てないあたりが競馬の難しさなのかも知れません。今回は中2週ですが、疲れのようなものは一切ないと見てよいでしょう。

 そのように判断できる理由は最終追い切りのCWでの動き。松若風馬騎手が跨って、マイネヴァリエンテとの併せ馬でしたが、最初から最後まできっちり馬体を併せての追い比べ。前半から13秒台のラップを踏んで、最後は1F13.1秒を要しながら、同時入線。6F78.0秒は前走時よりも速い数字ですし、最終追い切りをCWで行った時の時計としては自己ベスト更新。これで評価を下げるわけにはいきません。

アズマシャトル(8月5日撮影)

アズマシャトル(外のゼッケン63・8月5日撮影)



【小倉記念/パッションダンス】

 5走前の金鯱賞は別として、3ヶ月ほどの休み明けは11走前の再度山特別以来。当時は中間に坂路しか乗れていなかったのに対して、今回は1週前追い切りをCWで行って、速い6F時計をマーク。11走前も1着ですから、坂路だけでも仕上がるとは思いますが、やっぱりCWを併用している今回は当時以上の仕上がりにあると思います。

 それを実証したのが、最終追い切り。藤岡佑介騎手が跨って、坂路で単走でしたが、テンをゆったり走った分、後半が速くなって、4F54.9〜3F39.2〜2F24.9〜1F12.0秒。1Fの数字は自己ベストですから、年齢は7歳でも過去最高に動ける状態が整っていることは間違いないでしょう。

◆次走要注意

・8/1 小倉 KBC杯【メイショウソレイユ】(11人/8着)

 8着という着順に、勝ち馬から1.6秒差という着差を見れば、明らかに1600万下では足りないと思われてしまうかも知れません。しかし、レース内容は決して悪くなく、勝ち時計が速すぎただけ。
 自身も43秒台では走れていますし、次走も同じような仕上げなら、チャンスは十分にあるでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート1700m]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・8/2 札幌 2歳未勝利【スイートマティーニ】(7人/7着)

 馬券総合倶楽部の狙い馬に取り上げましたが、レースは後方からじっくりためて、最後はメンバー最速上がりを使ってフィニッシュ。過去2走とは全く違うレース内容でした。
 脚があるのは分かったので、あとは中団あたりにつけることができるかどうか。次回も最終追い切りで一杯に追われている方がよいでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切りが一杯追いなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・小倉記念【ナリタスーパーワン】
 トラックでの追い切りがメインなので、前走のようにコーナー2つのマイルよりも、コーナー4つの1800m以上に適性が高いことは間違いない馬。それを示すように、5日のCWでも速い3F時計をマーク。
 ハンデが55キロということもあって、人気は全くないと思いますが、十分馬券圏内を賑わすだけの状態にあると思います。
ナリタスーパーワン(8月5日撮影)

ナリタスーパーワン(8月5日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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