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レッドアリオン、マジェスティハーツなど関屋記念調教分析

  • 2015年08月12日(水) 18時00分


今週末の競馬では馬体重が大きく減っているような場合には一枚割り引いた評価をすべき

 昨日の朝、今朝と調教前は少し涼しく感じた栗東。温度計が23℃だったので、これは気のせいではなく、実際に涼しかったということでしょう。確かに天気予報でも、昨晩から今朝にかけては秋の気配を感じるかも知れない、なんてことをコメントしていました。このまま涼しくなってくれば、馬の負担も多少は減るのでしょうが…。

 あと、今週末に気を付けたいことは各競馬場への輸送時間。関西では、すでに道路の混雑が始まっており、輸送中に渋滞にはまってしまわないか心配。もともと輸送に心配がある馬に関しては「能力はこのクラスで上だけど、輸送が無事に済むかどうか」なんて話す調教師もいました。好走時との比較で、馬体重が大きく減っているような場合はやはり一枚割り引いた評価をすべきかも知れません。

【関屋記念/レッドアリオン】

 前走に関しては、栗東への帰厩が遅く、そのあたりを心配したというのが、個人的な評価。それが正しかったかどうか、明確な答えはありませんが、好走できなかったという結果を考えると、少なからず影響があったと思っています。

 今回は中2週ということで、この中間の追い切り時計は8月9日と今朝12日の2本。ダノンマックインと併せた坂路での追い切りはきっちり先着して、4F52.3秒の時計をマーク。先週に比べると、時計の出にくい馬場ですから、この数字はかなり評価できます。なおかつ、ラスト1F12.9秒と13秒を切った点も評価。斤量も0.5キロ軽くなるわけですし、本来なら飛びつきたいところですが、主観的な印象として、そこまで迫力を感じないというのも事実です。

レッドアリオン(8月11日撮影)

レッドアリオン(8月11日撮影)



【関屋記念/マジェスティハーツ】

 鳴尾記念では◎を打ちましたが、休み明け4走目で追い切りに動きも抜群なのに人気がなさすぎたと思います。前走の実績から、今回はある程度人気になるだろうと思っていましたが、やはりそのようですね。ただ、今回は休み明けですし、昨年の同レースでは見せ場のない負け方をした、これが気になります。

 調教だけでいえば、1週前追い切りの内にもたれ気味の走りは悪印象。中間の追い切り本数も少なく、いかにも休み明けという感じがします。最終追い切りとなった12日はマルカファインを追走して、なかなかの動きを見せましたが、これだけで信用するわけにもいかないでしょう。個人的には、ここを使って、そのまま在厩して京成杯AHを使ってくれると、かなり馬券的に面白い存在になると思っています。

マジェスティハーツ(8月12日撮影)

マジェスティハーツ(右・8月12日撮影)



【関屋記念/アルバタックス】

 中2週は近5走以内に2回ありますが、最終追い切りの1本しかなかったモンゴル大統領賞が12着の惨敗に対して、1週前追い切りを行った六甲Sでは2着、3着とは時計差なしの4着。どちらが好走かといえば歴然としており、1週前追い切りを行っている今回は確実に好走調教だと言えます。

 また、最終追い切りが抜群。坂路4F52.0秒と速い全体時計をマークしつつ、ラスト1Fが最も速くなるラップを踏めました。7月の中京で連闘で1着しているように、この時季に使い込むことには何の抵抗もない馬。今回の状態で勝ち負けできないようでは、重賞を勝つチャンスはなかなか訪れないかも知れません。

【関屋記念/エールブリーズ】

 個人的には距離を心配していた前走ですが、見せ場十分の4着。状態が良かっただけに、これくらいは走れて不思議ない、そんな感じかも知れません。これまで中2週のローテーションでは、1週前追い切りと最終追い切りの2本というパターンなので、その点は好走時と変わりありません。

 前走時の最終追い切りは前々走と比較しても素軽いという印象を受けましたが、今回はそれにも増して素軽い動き。その結果、2F24.9秒という数字をマークしていると思いますし、直線に坂のないこの舞台なら、今度こそ馬券圏内という入りができるかも知れません。

エールブリーズ(8月11日撮影)

エールブリーズ(8月11日撮影)



【関屋記念/エキストラエンド】

 マイラーズC、安田記念と使ってから、このレースに出走するローテーションは昨年と同じ。昨年はゲートで出遅れたため、参考外のレースとした方がよいのかも知れませんが、メンバー最速上がりを使っているあたり、あんな競馬をしたから、末脚が発揮できたという考え方をしてもよいはず。つまり、状態に関しては決して悪くなかったと思います。

 昨年は最終追い切り場所が芝コース。時計は遅いものの、併せた相手に馬なりで先着する前向きさを見せていました。今回は坂路での最終追い切り。ラスト2Fが12.1秒を連続するラップを踏んでおり、休み明けでも動ける態勢が整っているということでしょう。最終追い切り場所が坂路だった時の好走例もあり、今回もそれなりの評価をすべきでしょう。

エキストラエンド(8月11日撮影)

エキストラエンド(8月11日撮影)



◆次走要注意

・8/8 小倉 筑紫特別【シセイカスガ】(18人/5着)

 前半3Fが32.5秒と超ハイペースになったこともありますが、終いに徹して、直線は馬群を縫っての追い込み。追い切り本数は関係なく、最終追い切りを坂路でラスト1Fが最速ラップを踏めるとあの脚が使えるのでしょう。
 前走の乗り方も非常に良かったと思うので、引き続き川須栄彦騎手が跨ってくれることがベスト。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・8/9 小倉 2歳未勝利【レッドラウダ】(1人/1着)

 勝ち時計は1分10秒0と速くありませんが、中間の追い切り内容を見ていても、もっと速い時計で走ることができるスピードがありそう。
 前走時の最終追い切りでもそうでしたが、2F目以降に12秒台のラップを継続できるという追い切りが、この馬の好走調教と判断できます。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切りが坂路で2F目以降12秒台ラップ継続なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳上500万下【シャンタルエット】
 12日はCWでスーサングレートに先行する内容。相手は滅法攻め駆けするタイプなので、最後は楽に交わされて終わりだろうと思っていました。
 ところが、最後まで渋太いどころか、交わされることなく踏ん張って先着。時計は6F80.2秒でしたし、レースは来週に予定されているようなので、当該週は坂路で軽く時計を出せば十分でしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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