![祐言実行](https://cdn.netkeiba.com/img.news/style/netkeiba.ja/data/yugenjikko/150825_11.jpg)
▲北橋修二元調教師との対談の最終回。ここでしか言わない心からの言葉…
(つづき)
人前で言うのは最初で最後やけど…
北橋 3場開催だろうと何だろうと、今もすべてのレースの1着から5着までをチェックしてるんやけど、祐一が勝つたび、女房とビールやワインで乾杯するんだよ。だから、祐一が勝てば勝つほど乾杯の数が増える。祐一の調子がいいと、うちの家庭も明るいわけよ。
福永 はい。日曜日の夜に先生と電話で話すことが習慣になっていますが、本当にいつもよく見てくださってますよね。
北橋 もちろん。祐一のレースは全部見てるし、弟子としても家族としても応援しとる。わしが死んだら、墓参りくらい来てくれるやろと思ってるからね。
福永 そりゃあ行きますよ。もう! 何を言ってるんですか(笑)。
北橋 あんまり相談にも来ないしな…。まぁ本当に困ったときは別として。
福永 先生が引退されたあと、相談というか、弱音を吐いたことがありましたよね。やっぱり乗り馬のレベルが変わってしまって、「このまま騎手を続けていけるのかな」と悩んでいたときに、ポロッと「もう騎手を辞めて調教師になろうかな」って言ったの、覚えてます? そうしたら先生、ものすごく悲しそうな顔をされたんです。
北橋 まぁまぁ、いろんなことがあるわな。ただ、坂を下り出したときに、途中で止まるか、下まで転げ落ちてしまうか。それだけのことや。祐一は途中で止まって、また上まで這い上がってきたわけやから。人前で言うのは最初で最後やけど、祐一が頑張っているのはわかってる。努力を続ければ、もっともっと上を目指せるんじゃないかと期待しとるわけや。
福永 ありがとうございます。先生にそんな風に言っていただけるなんて、本当に珍しいですね。
北橋 わしはね、寝るときはいつもそう思っとるで(笑)。数字では確かに上のほうにおるけど、中身はまだまだや。昔からスタートの巧さは認めるけど、そこから2、3番手に行くのかと思いきや、5、6番手に下げるでしょう。馬によっては、もうちょっと前のほうでどうにかならんかなと思うわけよ。仕掛けていったら馬とケンカするかもしれないとか、そういう心配があるのもわかるけど、実際、ちょっとそういう競馬が多いな。そやろ?