シュウジ “千二なら!!”非凡なスピードに絶大な信頼/トレセン発秘話
◆川村調教師はシュウジが小倉2歳Sに出走するのを知ると「そりゃ、アカンやんか」
GIII小倉2歳S(6日=小倉芝1200メートル)にクリノシャンボール、コウエイテンマ、ブンブンブラウの3頭をエントリーしてきた川村調教師。登録馬14頭のうち3枠を“占拠”しているのだから、「川村旋風」と言っても差し支えないのかもしれないが、そんなトレーナーが、一番動向を気にしていたライバルがシュウジだ。
コウエイテンマがフェニックス賞を勝った直後、シュウジが小倉2歳Sに使ってくるのかどうか探りを入れてきたので、坂路野郎が「使いますよ」と教えてあげると、「そりゃ、アカンやんか」と肩をガックリ落としてしまった。2走前に対戦した中京2歳Sで、コウエイテンマはほぼ馬なりで0秒7もちぎられており、そんな強敵が再度出てくるとあれば、意気消沈するのも無理ない。あとは“数の論理”でどこまで立ち向かえるか…といったところだろうか。
一方のシュウジ陣営。中京2歳Sを勝った直後は「朝日杯(FS)に向けて秋から始動する」プランを頭に描いていた橋口弘調教師だが、「家に帰ってよくよく考えたら、やっぱりマイルより1200メートルの馬という気持ちが強くなった。血統的にもツルマルレオン(1200〜1400メートルで全6勝)の下だし、マイルだとかかるところもあるからね。非凡なスピードを生かすにはやっぱり1200メートルが一番」とすぐさま軌道修正した。
その手応えは1998年に4馬身差で圧勝した「コウエイロマン以来の感触」というのだから相当なもの。今夏の小倉シリーズの新馬戦のレベルを考えれば、先週のひまわり賞を勝った九州産のキリシマオジョウでも勝負になったはずだが、こちらは登録もしなかったあたり、トレーナーのシュウジに寄せる絶大な信頼が見て取れる。
来年2月いっぱいで定年となる橋口弘師。「最後の〜」のフレーズには「君たち記者が言っているだけで俺は気にしていない」と素っ気ないが、“最後の夏の小倉開催”はぜひともシュウジの勝利で締めてほしいところだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)