スマートフォン版へ

新潟記念は踏み込んだ穴狙いをしてみたいレース

  • 2015年09月04日(金) 18時00分


◆人気上位馬がけっこう崩れている

 新潟記念は過去10年で1番人気が[1-0-0-9]、1〜3番人気で[3-1-2-24]と、人気上位馬がけっこう崩れているレース。脚質的には差しに構えた馬が強い。勝率や複勝率では先行したグループとほぼ同等だが、穴は差しタイプから出ることが多い。速い上がりに対する対応力を見つつ、踏み込んだ穴狙いをしてみたいレースだ。

 関屋記念2着のマジェスティハーツは成績からいちばん買いやすい馬。同コースで行われた新潟大賞典2着(昨年)もある。血統からも新潟は向くのだろうと思うが、ただこの馬はいきなり不可解な大敗を喫することもある。昨年の新潟大賞典で先着されたユールシンギングは今回かなりの人気薄。荒れるときは荒れる新潟記念の特徴を考えると、馬券的には後者のほうを取ってみたい面もある。

 アヴニールマルシェは血統的にも速い上がりに対応できそう。ただ、レース間隔が開いての初距離、さらに対古馬戦も初めてなのに上位人気になりそうというのは、馬券的には歓迎材料ではない。差し馬が穴をあけるレースではあるが後ろになりすぎると4〜5着の惜敗もあるので、道中位置も問題だ。距離を気にせず乗ってくれたほうが買う側としてはいい。

 ミュゼスルタンも前提条件はかなり似ている1頭。この2頭についてはあくまでオッズと相談というところだ。

 ダコールは近走好調。昨年は道中2番手から12着と大敗したが、それも踏まえて今年はこのコースに向いた位置から競馬をしてくれるだろう。新潟大賞典ではディープ産駒らしい決め手を見せたし、再現を期待したい。

 アルフレードは新潟2戦が1着と3着。路面の助けを得ると速い上がりが出せるようで、その意味ではここも期待がかかる。あとは初手の位置取りがどこまで後ろになるか。

 新潟記念はハンデ戦であっても前走GIII組が好走馬の中心となるレースでオープン特別組や準オープン組には意外と厳しいところがあるのだが、新潟巧者という点ではファントムライトロンギングダンサーも少し気になる。強さの総合力で足りなくても、純然たる上がり勝負なら足りる可能性もあるだろう。

 また直線は馬場の良いところを狙って、ある程度窮屈なシーンがありそう。一瞬早く進路を取れるかどうか、たまたま空いているところを突けるかどうかといった点は格とはまた別モノなので、差しタイプの上がり馬は思い切った選択をしていってもよいと考える。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング