スローに近い平均ならばスタミナは問われない
大接戦にもつれ込む歴史が続いているが、今年の組み合わせも、ゴール寸前まで勝ち馬が見えない小差の攻防になる可能性が高い。ツボにはまりさえすれば、接戦を制す爆発力を持つ
アルフレード(父シンボリクリスエス)に期待したい。
祖母にサクラバクシンオーの全妹を持つこの大型馬、朝日杯FS勝ちを含め全連対5回がマイル以下。たしかに本質スピード系だが、ここ2戦2000mのローカル重賞で、0秒2差、0秒3差に持ち込み、こなせる距離の幅が広がってきた。サクラバクシンオーの父サクラユタカオーに似た巨漢馬に成長した印象もある。
スローだったとはいえ、新潟大賞典で2000mをこなし、春開催の内寄りのあまり芝状態の良くないところに入って上がり32秒7。前回の福島の七夕賞では早めに動いて出て、不器用だから勝負どころから外にふくれ気味になりながら、1分58秒5。ローカルの2000mならもう距離不安はない。今回は、前回飛ばした
マイネルミラノはいるが、外回り2000mで飛ばす理由はなく、全体はスローに近い平均ペースか。ならば、スタミナは問われない。
柴山騎手は、先週までに51勝もして今年は絶好調。関屋記念では、同じシンボリクリスエス産駒のサトノギャラントで、空く可能性の少ないインを狙って締められてしまったが、馬群に突っ込んでこそ良さの生きる馬だから、あれは仕方がない。ファンにも「申し訳ない」とコメントしたが、もともと藤沢厩舎の馬では大外に回りにくい。
だが、このアルフレードでは、テン乗りだった3走前の東京新聞杯で大外強襲のクビ差2着に突っ込んでいる。直線、サトノギャラントと同じようなスペース探しになる危険があると察知したら、今度はイン狙いには出ないだろう。のびのび走らせてこそ真価発揮の、550キロ(前回)の巨漢馬でもある。高速馬場ではなく、全体に心持ちタイムを要しそうな芝は合う。
新潟の外回りの直線なら、ワンテンポ遅らせてスパートし、持ち味の切れを最大限に引き出そうとする手法を取ることの珍しくない柴山騎手に、アルフレードは合っているはずだ。
買いたい馬は多い。小倉記念ではずぶくなっていて、レースが終わってから突っ込んだ
クランモンタナは、もう一度買いたい。とても完調ではないと思えた前回、一気に伸びた
ロンギングダンサーも53キロなら候補に入れたい。