スマートフォン版へ

セントウルS、人気馬の死角と一発期待の人気薄は?

  • 2015年09月11日(金) 18時00分


◆格上タイプが安定も

 セントウルSでは夏を休養にあてた格上タイプが安定していることは安定しているのだが、一方でなぜか勝ち切れない面もある。過去10年のうち9回はいまでいうサマースプリントシリーズのレースから勝ち馬が出ているので、アタマ付けで買うにはその中から候補を探すことになる。いちばん多く勝ち馬を出しているのは北九州記念だが勝率として高いわけではなく、しかも前走着順や前走人気では選びにくいので難しいところだ。

 難しいといえば、今回人気が予想されるウリウリの扱いも難しい。これまでのところCBC賞組はセントウルSでさっぱりなのだが、ウリウリの場合は中京の路面をあっさりこなしたことのほうが個人的には驚きだった。阪神のほうが安心感はあるが、あとは差しが届く展開になるかどうか。後に記すように、牝馬ゆえ斤量面でのアドバンテージはある。

 ストレイトガールは典型的な格上タイプ。どの馬が強いと言われたらこの馬だが、このタイプが勝ち切れないのがセントウルS。しかもこの馬の場合は脚質リスクがある。レースの傾向に従って、敢えての2,3着付けでいきたい。

 ハクサンムーンもGIタイトルこそないが格上タイプ。一昨年にはこのレースを勝っているが、当時はアイビスSDからのローテだった。脚質的なリスクは少ないのだがこのところ1着を取れていないこともあるし、こちらも2,3着までの前提でいきたい。

 リトルゲルダはアイビスSDがまずまずの内容。このコースで2戦2勝という強調材料もある。しかし一番良かったころに比べるとやはり完全に戻ったとまでは言えない。アイビスSDからここというローテ自体は良いものなのだが、それを利して復活へのきっかけを作れるかどうか。

 バーバラは北九州記念組の最先着馬だが、当時の1〜3着馬が不在では、今回はこのグループの価値そのものに疑問符がつく。当時の1〜4番人気もいないので北九州記念組を買うとしたらこの馬かミッキーラブソングなのだが、いずれもシルシでいうと△の扱いでいきたい。

 人気薄馬に一発を期待するとしたらルチャドルアスール。ハクサンムーンが以前ほどハナにこだわらなくなっているので、主張すれば逃げられる可能性がある。オープン特別で勝ち切れない馬を別定GIIで狙うのは厳しいものがあるが、逃げ馬というのは理屈抜きの穴を出すこともある存在だ。

 他に波乱があるとしたらアクティブミノルマテンロウハピネスの3歳勢だろうか。古馬のスプリント重賞は、年齢やセックスアローワンスといった理屈と関係なく斤量の絶対値が軽い馬が激走することもある。3歳牡馬2頭やホウライアキコなど牝馬で54キロの馬たちには少し注意しておきたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング