GIタイトルを持っている牝馬が出走した場合、回収率は極端に低い
今年のローズSは、阪神JF馬ショウナンアデラ、桜花賞馬レッツゴードンキ、オークス馬ミッキークイーンとGI馬が揃い踏みすることが話題になっている。
過去に同様の事例がどれだけあったかというと、秋華賞創設後では2000年。シルクプリマドンナ(オークス)、チアズグレイス(桜花賞)、ヤマカツスズラン(阪神3歳牝馬S)が揃い踏みしたが、4、5、14着とすべて馬券の対象から外れてしまった。
タイトル馬2頭が出走したケースは97年、02年、03年、07年、08年、11年、13年、14年と8回あるが、2頭とも馬券に絡んだのは97年だけ。しかもこのときは1着が桜花賞馬キョウエイマーチ、3着にNHKマイルC馬シーキングザパール。ワンツーはいまだ実現していないし、牝馬GIの優勝馬が複数馬券に絡んだケースも実現していない。
そもそも、既にGIタイトルを持っている牝馬がローズSに出走した場合の成績は、秋華賞創設の96年以降で[5-1-2-17]。回収率は単44%・複38%と極端に低い。これが秋華賞本番だと[9-5-3-19]で、回収率が単70%・複82%と勝率・複勝率を含めすべての指標が改善される。昔ながらの競馬のイメージというか、叩き台ゆえのリスクがある印象だ。
では逆引きの発想で、ローズSで1〜3着した馬が春までのGIに出走していた場合、そこではどんな成績をあげていたのだろうか?
96年以降のローズS1〜3着馬の春までの成績は以下の通り。
・阪神JF [0-3-2-1-1-6/13]
※阪神3歳牝馬S含む
・桜花賞 [6-5-3-2-2-8/26]
・オークス [2-7-4-4-1-12/30]
けっこう「負けていても大丈夫」の度合いが強い。
3レースとも4着以下でありながらローズSで馬券に絡んだ馬も3頭、2レースにのみ出走しともに4着以下からここで好走した馬も3頭いる。ひとまず春の実績は忘れ、上昇度やデキ、コース適性などを重視するほうがよさそうだ。