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ダノンシャルマン(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母レディバラード)
全兄ダノンバラードはアメリカJCC(GII)とラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)の勝ち馬。2代母Angelic Songは、Glorious Song、Devil's Bag、Saint Balladoなどと全きょうだいの関係にある良血で、父ディープインパクトはこれらの血ときわめて相性が良い。これらのうちどれかを母方に抱えた産駒は連対率32.1%、1走あたりの賞金額は531万円。また、母方にUnbridledを抱えたパターンも素晴らしく、連対率35.4%、1走あたり597万円。ディープインパクト産駒全体の成績は連対率24.6%、1走あたり321万円なので、その素晴らしさが分かる。本馬は、平均値を大幅に上回る優れた2つの配合パターンが施されているので面白い。ダノンバラードの出現は偶然ではないので兄同様の活躍を期待したい。
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ゴッドテンス(牡 栗東・高橋亮 父マンハッタンカフェ、母ロイヤルペルラ)
トレンドハンター(11年フラワーC-GIII、11年桜花賞-GI・3着)の全弟、スティールパス(父ネオユニヴァース/12年スパーキングレディーC-Jpn3、13年マリーンC-Jpn3・3着)の4分の3弟にあたる。父マンハッタンカフェとStorm Catは相性がよく、トレンドハンター以外にもショウナンマイティ、マッハヴェロシティ、アンシェルブルー、エーシンミズーリなどの活躍馬が目につく。トレンドハンター、ショウナンマイティ、エイシンミズーリはRibot系のクロスを併せ持っている。大物感を出し、底力を補う効果があるのだろう。本馬は牡に出たので、母の父ブライアンズタイムのパワーが強調される可能性があり、その場合はダートを主戦場とするだろう。いずれにしてもスケールの大きさがうかがえるので楽しみな存在だ。
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サーブルオール(牡 美浦・萩原清 父ハービンジャー、母モンローブロンド)
母モンローブロンド(04年ファンタジーS-2着)はランフォルセ(重賞4勝)、ノーザンリバー(重賞6勝)、ノットアローン(08年ラジオNIKKEI賞・2着)、アコースティクス(ダービー馬ロジユニヴァースの母)を兄弟に持つ良血馬。Halo 3×4に Mr.Prospector を併せ持つだけあってスピードは非凡なものがあり、現役時代はファンタジーS(GIII)で2着となった。初子のビキニブロンド(父キングカメハメハ)は芝短距離路線で準OPまで出世し、3番子プラチナブロンドはジャングルポケット産駒にもかかわらず全2勝はいずれも芝1200m(現在8戦2勝)。父ハービンジャーは欧州2400m路線で活躍した名馬で、産駒成績はいまのところ芝2000mベスト。本馬は母方のスピードが効いていると思われるのでおそらくマイラーだろう。
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シャンドランジュ(牝 美浦・大和田成 父マンハッタンカフェ、母ハルーワソング)
フレールジャック(11年ラジオNIKKEI賞-GIII)、マーティンボロ(14年中日新聞杯-GIII、14年新潟記念-GIII)の4分の3妹で、ヴィルシーナ(13、14年ヴィクトリアマイル-GI・2回)の叔母でもある。これらはすべてディープインパクト産駒。しかし、マンハッタンカフェとこのファミリーの組み合わせも悪くない。2代母Morn of Songは名種牡馬Rahyの全妹。マンハッタンカフェとRahyの組み合わせは、JRAで走ったわずか12頭からメイショウクオリア(08年京都新聞杯-GII)、サンディエゴシチー(09年札幌2歳S-GIII)という2頭の重賞ウィナーが誕生している。また、「マンハッタンカフェ×Nureyev」も、JRAで走ったわずか9頭からダンツホウテイ(12年新潟大賞典-GIII・2着、12年中日新聞杯-GIII・2着)、フェニコーン(10年目黒記念-GII・3着)が出ている。確実性の高いマイラー配合だ。
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フェイス(牡 栗東・安田隆行 父アドマイヤムーン、母チリエージェ)
セントウルS(GII)、アイビスサマーダッシュ(GIII)、京阪杯(GIII)を制したハクサンムーンの全妹。母チリエージェはセントウルS(GIII)で5着という成績がある。父アドマイヤムーンは現役時代にジャパンC(GI)、宝塚記念(GI)などを勝っているが、産駒はスピードタイプが多く、むしろ図太いスタミナ血統を入れて底力を補うような配合が成功している。本馬の場合、2代母メガミゲランが「シェイディハイツ×モガミ」という泥臭い配合で、おそらくこのあたりが底力の源泉だろう。ハクサンムーンとは厩舎が異なるが、スピード馬の育成に定評がある安田隆行厩舎なら心配無用だろう。