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スプリンターズSにおける「リピーター組」

  • 2015年09月29日(火) 12時00分


GIを勝った馬が同じ年のスプリンターズSに出走した場合の回収率は…

 スプリント〜マイルGIは、勢いのついた馬が複数回好走するケースが多い。なにをもって「多い」とするかは議論があるだろうが、複数回好走した馬の名前をいくつか挙げることは容易だろう。

 GI(芝限定だが距離不問)を勝った馬が同じ年のスプリンターズSに出走したケース(12月施行時代を含むので、当時のマイルCS→スプリンターズSもカウントされる)の成績は[7-6-3-12]で複勝率57.1%。回収率は単複とも100%を超える。スプリンターズSが9月施行になって以降に限定しても複勝率56.3%で回収率は単複100%超えだ。

「GIを勝った同年もしくは翌年」とすると、複勝率は50.0%だが回収率は単84%・複87%。9月施行になって以降だとさらに少し数字は下がる。前年春好走→今年のスプリンターズS、だとちょっと間隔が開きすぎているし、好走歴から時間が開いていないほうがベターではあるだろう。

 GIで2着した馬が同年のスプリンターズSに出走したケースは通算で[4-3-2-15]。昨年スノードラゴンが13番人気1着で単勝回収率を228%まではねあげたが、一昨年までの回収率は単38%・複59%だった。しかも9月施行になってから1着を取ったのはスノードラゴンだけだ。

 GI2着を起点に「同年+翌年」とすると、[6-7-4-31]。回収率はやはりスノードラゴン頼みで、GI勝ち馬との比較ではだいぶ見劣りがする。

 こうしてみると、ヴィクトリアマイルではあるが今年GIを勝っているストレイトガールの価値は高いということになる。次いで昨年の春にGIを勝っているミッキーアイル、コパノリチャードの2頭。ハクサンムーンは「高松宮記念は外国馬が1着だったから……」というエクスキューズを適用するかどうかだが、どちらかというと人気が先行することに注意したほうが良いように思う。あとはここにウリウリのような、GI出走歴の少ない、あるいは無い馬をどう組み合わせていくかだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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