スマートフォン版へ

ウインバリアシオン 種畜検査も通過

  • 2015年10月01日(木) 19時00分


 2015年も残すところあと3ヶ月となりました。中央競馬も秋のGI戦線に突入。ということで、再びGIの共同会見レポートをさせていただいてます。この会見、陣営の表情やちょっとした言葉の反応を見ているだけでもすごく面白いんです。

 たとえば、ウリウリに騎乗する岩田騎手。「セントウルSでウリウリは後手を踏みましたね」と聞き手の方が話したところ、すかさず「いや、あれは五分に出ているけど、まわりも速いのでああなっただけ。あの馬のペースで出ているので遅れてはいない」と状況を詳しく話していました。岩田騎手は結構同じトーンで淡々と話すことが多いので、このときはしっかりと反論して説明していたのがすごく印象深かった。見ていて、いつも以上に“勝負”を感じました。メンバー的に実力は拮抗していますが、輸送さえクリアできればかなり面白い存在なのでは?と感じています。

花岡貴子のトレセン情報

会見で語る岩田騎手


 さて。青森のウインバリアシオンに動きがありました。9月30日、種畜検査という種牡馬になるための検査が行われまして、無事クリアしたそうです。

「この日は体高をはかったり特徴を確認したりして、本馬がウインバリアシオンで間違いない、という確認が行われました。これで種牡馬としての検査は8割がた終りました」

 ちなみに体高は171.3センチだったそうです。これは標準より大きい数字なんですよ。

 この検査にあたり、検査のための獣医さんらが何人か立ち会ったそうですが、この獣医さんの中にもバリのファンの方がおられたそうです。

「おぉ!幻の三冠馬だ!!」と感激されながら作業していたそうですよ。いやいや、バリは皐月賞は出ていないし、そのあとの2つは両方とも銀メダルだった。とバリを繋養しているスプリングファームの佐々木さんが言うと、「いえ、わたしの中ではそれでも幻の三冠馬なんですよ」と笑顔を返してくれたとのことです。ほんと、可愛がられ、期待されているんですね。聞いていて、心が温まりました。そして、獣医さんたちはバリの脚元がかなりスッキリしているのに驚いていたそうです。

「本当に春の天皇賞で腱を不全断裂したの?と聞かれるほど、よくなっているんです。回復してくれて本当によかったです」(佐々木さん)

 脚元がスッキリしたバリさんは、最近乗り運動も再開しています。「食欲が旺盛すぎるので、体をしっかり動かして種牡馬としての体をつくっていかなければ」と佐々木さんはバリに無理のないように体力をつけていくプログラムを進めています。

花岡貴子のトレセン情報


 さきほど8割がた検査が終ったと書きましたが、最後にひとつだけ、精液検査が残されています。これは来年、種付シーズン前に行われるそうです。これにOKが出ると、晴れて種牡馬として種付けができるようになります。種牡馬になる、ならないから始まり、あっという間の5ヶ月でしたが…。バリもようやく新しい人生に向けて、ひと区切りがついたようです。

「大事にしています。安心してください」

 佐々木さんから、そう託かりました。大事にされるところで暮らせて、バリは幸せものですね。

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング