◆橋口弘調教師は反発心を見せ「この馬の力はあんなものではない」
世代間の「レベル差」は確実にあるもので、「20XX年生まれはハイレベル」とか、「○歳の牝馬勢は全体的に層が厚い」などといった声が必ずといっていいほど出てくるものだ。
近年、異論なしで挙げられるのは現6歳牡馬の中長距離路線におけるレベルの高さ。GI・6勝馬のゴールドシップに、ドバイデューティフリー圧勝で世界ランキング1位となったジャスタウェイほか、天皇賞・春を連覇したフェノーメノ、昨秋の天皇賞を制したスピルバーグ…。さらにダート馬まで含めれば、現日本最強馬ホッコータルマエまで同じ6歳なのだから、まさに“ハイレベルエージ”だ。
一方で、寂しく映るのは現4歳世代。牝馬はショウナンパンドラ、ヌーヴォレコルトあたりが気を吐いているが、中長距離重賞戦線の牡馬となると、これまで目立った戦績を残した馬があまりいない。
「4歳世代が低レベル? 決してそんなことはないと思う。力をつけるのはこれからという馬もいっぱいいるからね。ウチのも徐々に体質がしっかりして、これから本格化の時期を迎えようかという感じ。だいたい菊花賞のあの勝ち時計を見ても、決して世代レベルは低くないと思うんだ。何度も言うけど、これからだよ、楽しみなのは」
“4歳低レベル説”に猛反発するのは昨年の菊花賞2着馬サウンズオブアースを管理する藤岡調教師だ。高速馬場だったとはいえ、確かに従来の菊花賞レコードを1秒7も縮める3分01秒0の日本レコード決着は、低レベル世代にできる芸当ではない?
古馬混合になってから結果の出ていない4歳世代のダービー馬ワンアンドオンリーを管理する橋口弘調教師も「去年の有馬記念(13着)、今年の宝塚記念(11着)は、ともに直線の肝心なところで追えていない。今年のドバイシーマクラシック(3着)で世界の強豪相手に健闘したわけだし、この馬の力はあんなものではない」と反発心を見せている。
3日間競馬の最終日(12日)のGII京都大賞典(京都芝外2400メートル)に出走する両馬。今後の競馬界を盛り上げる意味でも、ぜひとも「4歳勢ここにあり」をアピールしてほしいものである。
(栗東の坂路野郎・高岡功)