今年のローズSは例年以上に本番と結びつく可能性が高い
本番の秋華賞と強く結びついている「ローズS」の上位馬が、人気を集めるのは当然。ローズSが阪神の1800mになってここまで8年、この間の秋華賞では、もう8年連続して「1〜3着」までにローズSの出走馬が必ず「2頭」含まれる形が続いている。
上位3頭の中にローズS組が2頭のパターンが連続しているのは、それはたまたまではあるが、強い結びつきをこれほどストレートにファンに示す結果はない。
まして今年のローズSには有力馬、注目馬の大半が出走し、勝ちタイムは歴代2番目の「1分45秒2」。それもただ時計が速いだけでなく、レース全体が「前半46秒7-(11秒7)-後半46秒8」。息の入れにくい速い平均ペースで、能力がなければ上位に食い込めない総合力勝負になった。上位「1〜7」着までは7番人気以内の馬。8番人気以下は「8〜17」着止まり。ローズSの上位馬が例年以上に高い支持を受けるのはごく自然な成り行きである。
注目の夏の上がり馬として快勝した
タッチングスピーチ(父ディープインパクト)から入りたい。ローズSでは
ミッキークイーン、
レッツゴードンキはオークス以来の休み明けという不利はあったが、条件賞金900万のタッチングスピーチには「なにがあっても出走権確保の3着以内に入らなければならない」という至上のテーマがテン乗りであるC.ルメール騎手にはあった。出負けしたミッキークイーンとともに、最後方近くを追走となったのは、ペースを読んでの待機策というより、「3着以内死守」には、メンバーを見渡し、この手しかない苦しい選択でもあった。
たしかに、厳しいペースでレッツゴードンキ以外の先行馬はつぶれたが、前述のように能力上位の馬だけが上位を占めた流れだから、タッチングスピーチが展開に恵まれたとする分析は正解ではない。4コーナーを回って、すぐにエンジン全開とはならなかった同馬は、ミッキークイーンに並ばれ一度は交わされたと見えた。ところが一瞬の切れというより速い脚が長つづきするタッチングスピーチは、みんなが苦しくなった最後の1ハロンでミッキークイーンを差し返すように突き放している。この上昇は本物である。
今度はコースが変わって京都の内回り2000mになるが、ルメール騎手はどの馬とどの馬が最有力の、決して射程から外してはいけない馬なのか、分かってしまった気がする。
ストレートに、「2〜4」着の3頭である。今度は最後方追走ではないだろう。ミッキークイーンと同様、位置取りに注文はつかない。
ローズS2〜4着馬が相手本線。穴馬は、抽選をくぐり抜けた「秋に本格化する芦毛」の
マキシマムドパリ(父キングカメハメハ)。春は432キロまで細化していた馬体が戻ったどころか逆に大きく成長し、前回466キロで快勝してみせた。好位のインから伸びる。