今回は、久々の勝利についての回顧と、この1か月間の心の変遷に迫ります!
丸1か月、勝ち星から遠ざかっていた小牧騎手ですが、10月12日の京都6R(テーオーイージス)で待ちに待った勝利を決めました! 今回は、久々の勝利についての回顧と、この1か月間の心の変遷に迫ります!
(取材・文/不破由妃子)
騎乗停止になりかけて…焦ったらアカンと
──10月12日の京都6R(テーオーイージス)は、丸1か月ぶりの勝利。本当におめでとうございます! なんだかホッとしました…。
小牧 僕も(笑)。もうすぐ太論の取材やなぁと思ってたから、その前にひとつでも勝っとかなと思っててん。絶対にその話題になると思ったし、「勝ってないですねぇ」って言われるのが嫌やったから。だから意地で勝ったわ。本当に良かった。
──しかも、ルメールと叩き合いの末の勝利。見応えがありました。
小牧 うん。面白かったね。でも、その日の朝、「今日はこの馬(テーオーイージス)で勝てるかもしれん」て、娘に言うててん。なんとなくそう思って。直感的なものやね。
──これまでは中団から好位での競馬が多かった馬ですが、今回は思い切った積極策に出ましたね。
小牧 行く馬がいなかったし、外枠やったしね。何より、返し馬に乗ったときに、「うわぁ、この馬はマイペースやなぁ」と思ったから、ゲートを出たら、叩いてでも行こうと決めた。思った通りに乗れたレースやったね。
──ちなみに、返し馬でマイペースだなぁと思ったのは、どういったところから?
小牧 止めにかかっても口が固いし、行かしてもそれ以上は行かない。あくまでも自分のペースで走る感じの馬やなと。砂を被るのを嫌うって聞いてたんで、今回でいえば行ったのが良かったんやね。ひとつ勝ったことやし、これでまた1か月、勝たんでいいでしょ(笑)。
──何をおっしゃいますか。ダメですよ、そんな気持ちでは!
小牧 冗談、冗談(笑)。でも、ひとつ勝って、本当に気持ちが楽になったわ。
──こんなに勝利の期間が空いたのは久しぶりですよね。
小牧 そうやねぇ。9月13日のレッドオーラム以来やもんなぁ。ダートでの勝利となると…。
──6月28日のカペナ以来、3か月半ぶりです。
小牧 そういえば今日、安田厩舎のスタッフに「やっとダートで勝ちましたね」って言われたわ。太論を読んでるのかもしれん(笑)。どのレースか詳しくは聞いてないけど、依頼してくれたみたいやわ(10月17日・京都6R・タイユール1着!)。
──10月12日は、2着(2R・8番人気クリノラホール)→2着(5R・4番人気アイファープリティ)ときての1着でしたね。
小牧 そうそう。クリノラホールは走る馬なんやけど、なぜか新馬のときから人気せん馬でね。この前も人気はなかったけど、いい勝負になるやろなぁと思ってた。アイファーに関しても、メンバーの揃った新馬戦やったけど、厩舎の人から走るよって聞いてたんでね。あんまりにも前がジーッとしていたから、一発狙って行ったれ! と思って行ったんやけど、まぁ負けてしまいましたわ。2着、2着と続いたときは、神様が意地悪してるんかなぁ…なんて思いながら。
──この1か月、やはり焦りはありましたか?
小牧 いや、変なレースをしているつもりはなかったから、あんまり気にしてはいなかったんやけど、3日間開催の初日に1番人気のスワーヴカイザーで負けたでしょう(京都9R・愛宕特別5着)。絶対に勝てると思ってたから、あのときはさすがに「これはホンマに勝てんなぁ」と思った。その直後のレースでは、騎乗停止になりかけて…。
──久多特別のタガノリバレンスですね。
小牧 そうそう。手応えが良すぎて、ちょっと横に出してしまった。てっきり騎乗停止やと思って、実家の宮崎に帰る段取りを始めてしまった(苦笑)。
──小牧さん、気が早い(苦笑)。ご自分でも焦りが原因だと思いましたか?
小牧 うん。いつもなら待てる一完歩が待てんかったからね。最終レースのあとに紙が届いて、バレットの娘と「騎乗停止やなぁ」って話しながらソローッと紙を開けたら、過怠金5万円やった。やってしまった自覚がある以上、心から良かったとは言えんけど、焦ったらアカンと改めて思ったわ。この過怠金は、自分への戒めやったのかもしれんね。
焦ったらアカンと改めて思ったわ。この過怠金は、自分への戒めやったのかもしれんね