ミロティックに光明 ヒカリが勝たせてくれる/トレセン発秘話
◆平田師は元来の強気節で「ウチの馬は1800〜2000メートルはめっちゃ強いで」
9戦8勝の堂々たる成績を引っさげ、いよいよ初GIに挑むエイシンヒカリ。底を見せないこの逃げ馬は、ライバルたちにとって実に厄介な存在に映るが、案外「この手の馬がいたほうがむしろ競馬はしやすい」と歓迎ムードの関係者も少なくない。
カレンミロティックを出走させる平田調教師もその一人で、「これまで早めに先頭に立たされて、フワッとしたところを差される競馬が多かったからな。しっかりした逃げ馬が出てくるのは大歓迎。競馬の流れも締まって、ウチの馬に向く展開になりやすい」と“ベリーウエルカム”の姿勢を取っている。
「早め先頭」→「フワッとして差される」典型例が今年の天皇賞・春(0秒1差3着)。3〜4角の途中で前の馬が早々にバテてしまったため、残り600メートル地点から先頭に立たされ、気を抜いたところで、勝ち馬ゴールドシップにかわされた。そんな最悪のパターンを回避できるのが、エイシンヒカリという“頼もしい存在”なのだ。
「強気に話すとロクなことがないから、今回は控えめで行く」と元来の強気節を封印するそぶりを見せる平田師だが、「ゴールドシップより強い馬はおらんやろ? ウチの馬は1800〜2000メートルはめっちゃ強いで」とすぐに封印を解いて、元通りの強気節に戻るのがこのトレーナーの愛すべきところ。
それはさておき、今春から長距離路線に本格参入したことでイメージが薄れつつあるかもしれないが、もともとは阪神芝外1800メートルでレコードV(13年垂水S)を決め、中京2000メートルの金鯱賞(同じく13年)でラブリーデイを撃破…本来の主戦場は確かに中距離戦なのだ。
担当の高阪助手も「叩いて確実に良化して、ちょうど今年の天皇賞(春)に臨む時ぐらいの雰囲気。どうせ今回は人気もないだろうし、皆を喜ばせてあげますよ」と高配プレゼントを約束。今回もマークが必要だと強く感じている坂路野郎である。
(栗東の坂路野郎・高岡功)