エイシンヒカリ、ラブリーデイら天皇賞・秋の有力馬を一挙分析!
◆カレンミロティックが左右する展開
過去10年の京都大賞典を見ると、毎日王冠組・宝塚記念組・札幌記念組が3強を形成していて、オールカマー組、京都大賞典組からはほとんど好走馬が出ていない。また、単純に前走着順の良い馬が本番でも好走する傾向が強く、大敗してきた馬が巻き返すためにはよほどの追い風が必要となる。
毎日王冠を勝ってきたエイシンヒカリが今年の主役的存在。難しいところのある馬だけに陣営からは弱気コメントも目立つが、プロフィールとしては十分すぎるものを持っている。あとは馬が気分よくいけるか、そしてペースがどの程度のものになるか。自身が緩むラップを作れないタイプだけに、突いてくる馬がいると自分を潰すラップを踏んでしまいかねない。
ディサイファは「札幌記念勝ち」「毎日王冠2着」とこのレースで良い要素を持っているが、両レースを走った馬が少ないので、その点がどうか。枠順も内を引いたし、捌き方によっては勝ち負けに絡んできそう。
イスラボニータは前走時の調教がいまひとつだっただけに、使われての上積みはありそうだ。もっと距離の長いダービーで僅差の競馬をしたのだから、2000mならばかなり楽しみ。ただ枠は正直もっと内が欲しかった。
ラブリーデイは評価が難しい。戦績は申し分ないが、京都大賞典組は10年でのべ16頭が出走して1頭も馬券に絡んでいない。もともと平均ペースもこなせる馬だが、ここ2走で「スロー気質」になってしまっていないかが問題だ。
ショウナンパンドラは宝塚記念3着馬でもあるし時計への対応力もあるのだが、やはりオールカマー組の苦戦ぶりが問題。過去の傾向を尊重するならラブリーデイと2頭ともシルシ上位に入れることは難しいし、片方は切るくらいの覚悟で予想してもよいと思う。
スピルバーグについては、この馬が好むスローな流れは望めないだろう。馬群が縦に長くなり、前は速めのペースなのだがこの馬自身は後傾ラップ、というような競馬をするしかない。エイシンフラッシュが勝ったときをイメージするとよいだろう。
馬券上の重要なポイントになりそうなのが3歳馬。アンビシャスの前走は展開を考えると仕方ない敗戦なのだが、大敗馬の巻き返しが難しいという近年の傾向とどう折り合いをつけるか。個人的にはサトノクラウンのほうを買いたい。3歳馬の出走解禁以降、その年のダービー3着馬の出走はまだないのだが、ダービー1〜2着馬はすべて馬券に絡んできている。同等の評価をするなら、ここでの3連複の軸馬くらいの期待はかけられる。
複穴っぽいのが札幌記念の3,6着馬。ダービーフィズは穴人気になるかもしれないが、ラストインパクトも得意距離だし、たまたま展開の向く位置取りにいたら3着に紛れ込んできても不思議はない。
全くの人気薄だろうが、レースの行方を左右しかねないのがカレンミロティック。前走のような上がり競馬は不得意。ここはエイシンヒカリを突く勢いで番手の競馬をするのが理想。テン乗りの鞍上にそれは伝わっているものの、テン乗りでどこまで忠実に実行できるか。この馬が早めに仕掛ければ仕掛けるほどエイシンヒカリは危うくなるし、その逆も然りである。