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エリザベス女王杯、ラキシスの懸念要素と評価を下げたい秋華賞組

  • 2015年11月13日(金) 18時01分


◆牡馬相手の好走は尊重

 エリザベス女王杯は府中牝馬Sと秋華賞から来る馬が多いが、これらの組は分母が大きいこともあり、複勝率や複勝回収率が伸びていない。また、基本的には前走好走馬が優位であり、大敗してきた馬の巻き返しが少ない。

 数として少ないが高い確率で好走しているのは牡馬相手のGIや別定GIIを使われてきた組で、もちろんただ使ってくればよいというわけではないが、前々走以前も含め、牡馬を相手に好走した履歴がある馬は尊重したいところだ。

 そう考えると、昨年の1,2着馬はともに条件を満たすし、特に連対してきたヌーヴォレコルトのほうは、馬券のどこかには絡んでくるものと思う。ラキシスのほうはここ2走が期待ほど走れていないのと、単純に年齢がひとつうえというのが懸念要素。

 それでもこの2頭のアトサキは簡単に割り切れるものではない。エリザベス女王杯では1着は差しが届くことのほうが多く、昨年のレースはまさにそんな結果。ヌーヴォは以前より下げた位置で競馬をしているが、ここでもそれが成功するか、さらにその上をラキシスが上回ることはないか、ぎりぎりまで悩みたい。

秋華賞組については、先述したような傾向から、個人的にはクイーンズリングを取り、タッチングスピーチの扱いを下げたい。外回りコースに替わればタッチングスピーチも……と期待したくなるが、データで予想する場合は割り切ることも必要だ。

 府中牝馬S組は、グループ自体の成績が奮わないし、特に大敗してきた馬は厳しい。過去10年、府中牝馬S6着以下から連対した馬はいない。

 ここは前走で馬券の対象から外れた馬を無視し、ノボリディアーナスマートレイアーだけが検討の対象となる。本当は1頭に絞りたいところなのだが、2頭とも今年に入って牡馬相手のオープン連対があるので、シルシの対象に残すつもりだ。ノボリディアーナのほうは前走が人気薄だっただけにフロック視されそうだが、脚質にものすごい幅がある点は魅力。取った戦略と展開がたまたまマッチした場合には破壊力を生む。

 ルージュバックは扱いが難しいところ。休み明けは別にいいのだが、まだ5戦しただけなので、実力も適性もつかみづらい。牡馬相手の重賞勝ちがあるので買い目には入れるが、どのぐらい厚く買うかはオッズと相談。人気が高止まりしているようなら、逆に押さえまでとしたい。

 他にはマリアライトフーラブライドといった、牡馬相手のGII掲示板組が△候補。フーラブライドは昨年3着馬にクビ差の4着。今年複穴になっても不思議ではない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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