▲今週は菊花賞回顧をお届けします(※写真は落馬前の取材で撮影したものです)
菊花賞、反省すべきあの一瞬
少々時間が経ってしまったが、今週は菊花賞の回顧を。レース当週のコラムに書いた通り、リアルスティールと共に“1着”だけを目指してレースに挑んだが、内から伸びたキタサンブラックをクビ差捕え切れずに2着。ジョッキーとしてこの結果は、ただただ無念の一語に尽きる。
馬はパドックからとても落ち着いていたし、何より非常にコンディションが良かった。返し馬も、他馬の影響を受けないよう最後出しを選択。馬場に入ったところで少し嫌がる素振りを見せ、後退するなどの動きを見せたが、逆にそれでフッとハミが抜け、理想的な返し馬ができた。
「これなら、道中もどこかでハミを外していけるかもしれない」。いいイメージを持ってゲートに向かうことができたのだが──、やはり3000mのスローペースはそう甘くはなかった。
ゲートのなかでは多少ガタガタしたものの、いつも通りの好スタート。最初のコーナーでも理想的なポジションを取ることができた。多少行きたがってはいたものの、自分のなかでは許容範囲。ハミに向かっていってはいたが、脚が溜まっている感触はあった。「このまま最後までいってくれれば…」、そう願いながら、向正面へ。