◆面白い馬だが軸にはしづらいヴァンセンヌ マイルの王者
モーリスがぶっつけでの参戦になる一方、中距離からイスラボニータが転身。馬券の対象としてはにわかに活気づいてきたマイルCSだ。
そのモーリスは臨戦過程をかなり不安視されているが、馬体重だけをとれば帳尻は合っている。今週の「回収率向上作戦」で書いたようにぶっつけでのGI参戦は容易でないが、これだけのレベルの馬がぶっつけで臨むケース自体が少なかったのも事実。勝ち切れるかどうかはともかくとして、馬券のどこかには組み込む必要があると思う。
イスラボニータの天皇賞秋→マイルCSは、使い方としては理想的な形。個人的にもシルシ上位に入れるつもりだが、距離短縮+京都というリスクをファンが軽視している雰囲気もある。前半の流れもここ2走とは全く違うし、戸惑わないかは若干心配だ。
ヴァンセンヌも天皇賞秋組。ここ2走はこの馬には全く合わない流れ。人気を落としてのマイル戦戻りは魅力的だ。外回りコースなので一か八かのできる最内枠も興味深いところだが、全く捌けないで終わる可能性もある。面白い馬だが軸にはしづらい、というところだ。
毎日王冠→マイルCSも使い方としては悪くない。前年の覇者
ダノンシャークにとって前走は割り切った叩き台だろうし、とにかく京都のマイル戦は合う。7歳といっても極端にパフォーマンスを落としているわけではないし、引き続き評価していく必要がある。
その毎日王冠からカシオペアS1着を挟んでの参戦が
トーセンスターダム。マイル戦ははじめてだが、1800mでの成績を見れば全くこなせないということもないだろう。ヒモ穴候補にしてみたい。
フィエロは昨年より良いムードで本番を迎えた。京都ではスベリ知らずの馬だし、やはり評価せざるをえない。その一方で重賞で勝ち切れない点だけはどうにもならず、馬券上の扱い方が難しい。
アルビアーノは前走でいままでと違う形の競馬に成功した。斤量の絶対値に差があるのは魅力的だが、3歳馬はファンの期待ほどここで走らない面もある。スワンS組というのも過剰人気になりがちな要素なので、扱いは慎重に考えたい。
サトノアラジンは今シーズンひと皮むけた印象がある。血統的な期待から上位人気にもなりそうだ。決め手のあるディープインパクト産駒はこのレースに向くが、この馬については京都経験が菊花賞のみで、ファンにとってのヒントが少ない。個人的な見解だが、展開待ちの脚質、反応そのものが鋭いタイプではないことを考えると、勝ち切るというよりは2,3着を前提に考えたほうがよいのではと思う。