強気強気に前に
先週は、東京スポーツ杯2歳Sを筆頭に、後半の芝のレースは東西ともにほとんどが「スローペース」の連続。別にスローペースの競馬が悪いわけではないが、それがグレードレースだったりすると、勝ち馬の評価は上がることはなく、レースの評価も低く、勝ち馬は生産界に戻ったときにも決して高い評価を受けることがない。その点がかわいそうである。
ここは単なるオープン特別。果敢に行きそうな先行タイプは見当たらず、スローで展開する公算大だろう。
T.ベリー騎手の乗る3歳
グランシルク(父ステイゴールド)に期待する。
快速系のマイラーという血統背景でもないが、初勝ちが中山1600mを1分35秒1。2勝目が同じコースで1分34秒4。NHKマイルCが、東京1600mを1分33秒9。秋になって京成杯AHが1分33秒3。そして前回の富士Sが、ここまで最高の1分33秒1。
マイル路線ではややカベに当たった印象もあるが、ベリー騎手は注文(指示)が出ていない限り、強気強気に前に行くだろう。それが好結果に結びつきそうな組み合わせである。
母ルシルク(父ダイナフォーマー)は、2009年の共同通信杯をトーセンジョーダン以下に完勝したブレイクランアウト(父スマートストライク)の半姉。グランシルクはやがては1800m-2000m級でも好成績を残す馬に成長するはずだが、いまのところ1600mでそれなりの結果を残しているから、ここで先行しても失速しないところをみせたい。休み明け3戦目。動きは明らかにシャープになっている。
世代交代が進みつつあるが、6歳
ワールドエース(父ディープインパクト)は、同期のグランデッツァが一度、二度と復活して見せたように、ひとたたきして動き良化の今回は、頭数こそ多くても強力なオープン馬は不在。復活を果たすのにまたとないチャンスだろう。同じくクラシックの主役だったゴールドシップも、もう引退直前である。一変があるはずだ。
そのあとに、3歳
アヴニールマルシェ(父ディープインパクト)。こちらはクラシック候補から、いつのまにかオープン特別に出てくる馬に一旦停止状態だが、脚の使いどころが難しいだけで、秘める能力はこのままオープン特別の有力馬の1頭にとどまる馬ではない。