▲今注目の佐藤友則騎手とはどんな人物なのか
JRAの舞台に乗り込み、前走、流れに乗れず惨敗した馬を絶好位の3番手追走から粘りこませるなど、穴をあけまくっている地方の騎手がいる。佐藤友則。笠松所属の彼は、10月30日に地方競馬通算1000勝を達成。今年は積極的に全国遠征をし、日本一レースに騎乗している騎手と思わせるほどハードスケジュールの日々を過ごす。一体どんな人物なのか。(取材・文:大恵陽子)
JRAでも万馬券連発
佐藤友則騎手がJRA初勝利を挙げたのは2008年4月19日、最低人気のクイックリープ(栗東・柴田光陽厩舎)。それ以降、頻度は少ないながら毎年JRAに遠征はしていたが、勝利や連対はなかった。
しかし、今年に入って1着2回、2着3回、3着2回、着外55回(11/30現在)。夏の小倉では100万円馬券を演出した。騎乗馬はポッドシルビア(牝2、栗東・西村真幸厩舎)。
前走のデビュー戦では後方2番手のまま勝ち馬から3.5秒離されゴールしたたため、ファンは単勝238.1倍の評価をした。しかし、ゲートが開くとすっと3番手につけ、直線で一度は後続に飲み込まれるかと思われたところ再び伸びて2着(同着)となった。
「ゲートを出ないと聞いていたので、自分なりに『こうしたら速く出るかな』と考える返し馬をしました。それに競走馬って、レースを使ううちにゲートを出るようになるので、2戦目の上積みもあったと思います。すべてが上手くかみ合いました」 他にも、3月には単勝万馬券のケイアイヴァーゲ(栗東・西村真幸厩舎)で逃げ粘って3着など複勝回収率は100%を超える。
「色んな人との出会いがあって、今年は特にたくさん遠征に行かせていただいています。本当にありがたいですよね。今年のJRAでの2勝はともにクラブの馬で、会員さんからもたくさんの声を聞くと、勝つことの大切さをより感じました」▲今年のJRAでの2勝、サンフレイム(上)とレーヌドブリエ(下)はどちらも一口クラブの所有馬
佐藤騎手が穴をあける時、ある傾向が見受けられる。近走で後方のままレースを終えてしまうことが多かった馬で好位につけ、直線でも脚色衰えず上位にくい込ませる。スタートの上手さや一工夫必要な馬を動かす技術があるのだろうか。
笠松はいい教科書の宝庫だった
10月30日、地方競馬通算1000勝を達成した。