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古豪に新鋭が挑む構図のチャンピオンズCを徹底分析!

  • 2015年12月04日(金) 18時00分


◆悩ましい存在の「ノンコノユメ」

 リニューアルされて2回目の実施となるチャンピオンズカップ。古豪に新鋭が挑む構図になり、盛り上がりそうだ。

 ダート王ホッコータルマエはJBCクラシックが3着とファンの期待をやや裏切る内容。ただもともとこの馬は休み明けだと動かないタイプ。逆に叩2戦目はJCダート9番人気3着、JBCクラシック優勝、チャンピオンズC優勝とすべて良い結果が出ている。また前走は、人気馬の責任感からコパノリッキーを捕らえにいき、そのぶん末を欠いた面もあった。好位に行ける脚質は中京ダート1800mに向いているし、ここは復権があると見る。

 JBCクラシック優勝馬コパノリッキーは昨年のチャンピオンズCこそ自分の競馬ができずに大敗したが、東海Sは圧勝しているし、コースの心配はない。ここはコーリンベリーらがいるし、控える競馬になるがそれも東海SやフェブラリーSの内容から心配ない。ただ道中ホッコータルマエとの位置差が小さくなるようだと、簡単に捕まえられてしまう可能性はある。

 JBCクラシック2着馬サウンドトゥルーはまだGI常連組と格の面で差はあるが、ここ3走の充実は素晴らしい。脚質と枠順から考えて、ノンコノユメと組み合わせた馬券を買いたい馬。逆にこの馬が好走する展開だと、先に触れた2頭のどちらか、もしくは両方が消えている可能性がある。

 ノンコノユメは武蔵野Sが規格外の強さ。問題は中京コースと、相手関係だ。左回りそのものは得意だが内枠から捌いて重めのダートに対応しなくてはならない。配当がつくならギャンブルする価値はあるが、おそらく今回は1番人気争い。実力は十分にありそうだが裏付けはなく、一方でリターンは小さいという悩ましい存在だ。

 ロワジャルダンも路面としては前走で走った京都のほうがよさそう。ただこちらは配当がつくというメリットがある。JCダート・チャンピオンズCでは「前走よく走っているのに人気薄」という馬がたびたび複穴になっており、オッズ次第ではこの馬を今年の候補として検討したい。

 ローマンレジェンドは7歳になったがしぶといレースを続けている。持ち時計のあるタイプだが、昨年3着だから中京がダメということはない。また今回は前と後ろに有力馬が分かれており、ちょうど真ん中の位置で競馬ができるこの馬は、展開がどちらに転んでも馬券に絡んできそうな魅力がある。

 ホッコータルマエやコパノリッキーから入るならば、位置取り的に絡めていきたいのがサンビスタ。ただ牡馬相手だと少し苦しいだろう。3着付けまでか。

 コーリンベリーがここへ出てきたのは驚いた。溜めていけるタイプではないし、距離をこなすのはかなり難しいこと。番組の選択肢がないのは理解できるが、まだ将来がある若い馬。ここでダメージの残る大敗を喫しないよう祈りたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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