勝ち馬が差し・追い込みから出ているいくつかの理由
前に行ったら負け。おおざっぱに言うと、阪神JFはそんなレースである。
新コースになってから既に9回行われているが、4角で6番手以内にいたのはウオッカだけ。それもまだ騎手が新コースに慣れていなかった新コース初年度・06年のことである。この年は1〜3着馬がすべて6番手以内だった。
それ以降は差し決着が多く、少なくとも勝ち馬は差し・追い込みから出ている。そこにはいくつかの理由があると思う。
最大の理由はラップだ。阪神外回りでは2ハロン目ではなく後ろから2ハロン目(7ハロン目)、場合によっては後ろから3ハロン目(6ハロン目)が最速ラップになることがよくあるが、阪神JFではそのパターンがほとんどない。過去9年で唯一の例は11年で、2ハロン目が11.1秒、7ハロン目が11.0秒だった。この年は2、3着に4角4、3番手の馬が来ている。
阪神JFは過去9回すべて18頭立てで行われており、さすがにこの頭数で前半ゆるゆると入ることはない。前後半のバランスでも前半が遅かったのは10年と11年だけ。外回りコースでもあり、先行馬、特にスタミナの余裕が無い馬は粘り込めない。
問題は、今回どの馬が前に行ってどの馬が差しに回るか、キャリアの浅い2歳馬では分からないということだ。例えば昨年の覇者ショウナンアデラにしても、デビューから3戦は好位の競馬をしており、阪神JFはスタートで後手を踏んだのが逆にはまったという面もあった。
それでも「差しに回りそう」という馬を類推していくしかないだろう。また脚質だけでなく、スタミナの余裕も意識していきたい。後者については血統に加え、これまで使ってきた距離が参考になるはずだ。