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混戦模様の有馬記念、人気馬と注目の伏兵を徹底分析!

  • 2015年12月25日(金) 18時00分


◆ちょっとしたきっかけで結果は大きく変わってきそう

 いよいよ有馬記念。ショウナンパンドラの回避は残念だが、それだけ秋GI期間の状態維持、ましてこの時期まできての維持は難しいということでもある。絶対王者がいるわけでもないし、ちょっとしたきっかけで結果は大きく変わってきそうな有馬記念だ。

 ラブリーデイは距離がやや長い不安を、好枠が相殺してくれそうな形になった。逆に言うと、穴党が狙いを下げづらい枠に入ったという印象である。よほどタイトな流れになるとスタミナ面の不安があるが、緩みつつコーナー6コなら乗り切ることは可能。後ろの内寄りがごちゃごちゃしてくれれば、さらに残りやすくなる。ただ、2500mが本質的に良いわけではないので、1着決め打ちのような買い方はできない。

 ゴールドシップは外枠を引いたし、定番の初手後方→捲りだろう。スイッチが入ったり切れたりするタイプの馬だが、レースを通じて一度もスイッチが入らなかったことはない。ある程度捲り上げたところでいったん馬が止めるような面があるので、そこで再度闘志をかきたてるような馬が外から併せに来てくれるとありがたいところ。脚質的にはルージュバックあたりだろうが、そこまで理想的な形になるかどうかはやってみないと分からない。ともあれ、この馬が勝つとなると90年オグリキャップ級の盛り上がりになることは確実。健闘を期待したい。

 3歳牡馬2頭の評価は好みが分かれそうだ。着順でいえばキタサンブラックだし中山適性も保証されているのだが、菊花賞が枠順を利した見事な競馬だっただけに、今回は枠順が問題。11番枠からラチ沿いの好位を取れるかどうか。下手に控えすぎるくらいなら、ハナに行くくらいの心意気でもよいと思う。

 リアファルはレースの展開を握っている有利さがある。他に注文をつけてくる馬がいなければハナへ行ってペースをコントロールすればいいだろう。ただこれもやや外の枠なので、スタートは決めたい。

 ルージュバックはダメだった競馬は要するに差し遅れなので、初手の位置を取る競馬なら面白いところはあると思う。ただ13番枠はマイナス。不幸中の幸いというか内2頭が前に行く馬なので、それに乗る形で馬群外めでもいいから好位を取りたい。

 ゴールドアクターは連勝中の勢いが魅力。私自身は前走GI組重視なので強くは推せないが、脚質は東京よりむしろこの舞台で生きる可能性もある。3歳牡馬より内なので、外から押されて位置を下げるような形になるのは好ましくない。枠なりに突っ張っていって好位を守りたい。

 アルバートは前走の勝ちっぷりが見事だったが、ステイヤーズSと有馬記念はほとんど結びついていない。怖い存在ではあるが、個人的には泣く泣く下げる。

 期待する穴馬はアドマイヤデウス。私の定番「その年の中山G2好走馬を買え」で、同コースの日経賞勝ち馬。幸い内寄りの枠を引いた。この馬やラストインパクトといった内枠勢が複穴候補だと思うが、イン寄りはかなりごちゃごちゃしそうなので、そこが心配ではある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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