「ゴールドシップはだいぶ戻っとるで」そう語る坂路うどん屋のオヤジの◎は…/トレセン発秘話
◆「久々やで、あのヤンチャさは」
「おい、ゴールドシップいらんと思っとるか?」
突然、こんなことを言ってきたのは、おなじみ坂路うどん屋のオヤジである。
「あの馬、ヤンチャな面が、だいぶ戻っとるで。そのシーンを俺は、この目で見たんや」
得意げに何を言っているのかと思えば、先週の普段の調教でゴールドシップが坂路を駆け上がってきた後、大きく立ち上がり、鞍上が落ちそうになった場面を目撃したという。
「最近は、あんな姿を見てなかったからな。久々やで、あのヤンチャさは。しかも1回だけやない。2回、3回と立ち上がって、危うく上に乗っとる人間が落ちそうになっとった」
調教パートナーの北村助手が「先週の金曜(18日)に、久々に振り落とされそうになった」と話していたので、恐らくこの時の現場を目撃したのだろう。確かに北村助手も「1週前追い切り(16日)をやってからスイッチが入った」と言っていたが、今週の追い切りの際にも立ち上がるところを見せた、この白い戦艦。走る時のサインをハッキリと出している。
「昔、戌亥(元騎手)が乗ったミリオンパラっちゅう馬がおってな。10回に9回は出遅れる馬やったけど、1回だけゲートをスンナリ出たことがあって、“オッ、まともに出た”って誰もが驚いた。けど、そのレースだけ走らんかったんや。ゴールドシップも、そんな馬。今度の有馬でも、まともにスタートを切ったらアカン。むしろゲートでゴネて出遅れたりしたら、アッサリ勝ってまうで」
毎年、有馬記念を予想してもらっている坂路オヤジ。ならば、◎はゴールドシップなのかと思いきや「あの馬は勝つか、ぶっ飛ぶかのどっちかで分かりにくい。俺は◎サウンズオブアースや」。
理由は当舞台に好時計を持っていることと、鞍上が外国人騎手だからとか。
個人的には、またもや(ミルコ・)デムーロという流れはあまり面白くないと思うが、さてどうしたものか…。
(栗東の坂路野郎・高岡功)