◆POG取材当時、馬のデキとしては抜群だったハートレー
ついにここから当たりが出た、と思ったのがホープフルS勝ちのハートレーだ。
同馬の血統は父ディープインパクト、母ウィキッドリーパーフェクト、母の父Congrats。ディープインパクトとボールドルーラー系の配合から生まれた最初の重賞勝ち馬である。
ディープインパクト×ボールドルーラーは現2歳馬2頭を含めても24頭しか競走馬登録されておらず、登録外ではセールの高馬が競走馬になれなかったりという不運もあった。ただそれにしても、これまでの成績は悪かった。
現3歳世代まで22頭がデビューし9頭が勝ち上がり。これだけだと悪く見えないかもしれないが、1走あたり賞金114万円、1頭あたり賞金は1123万円。現役馬がこれから多少伸ばしたとしても、父の種付料に遠く及ばない水準である。しかもこれまでの最高到達地点は1000万条件勝ち(リーサルウェポン)だった。リーサルウェポンは母の父Gold Legend、その父Seattle Slewだから、A.P.Indy経由だとハートレーが本当に初めてまともに走った馬ということになる。
POG取材当時のハートレーは、馬のデキとしては抜群だった(赤本の産地馬体検査ページに書いたのをご参照いただきたい)。しかし母の父が引っ掛かって、個人的なシルシとしては▲までしか打てなかったという経緯がある。
ディープインパクト×ボールドルーラー系は現1歳(明けて2歳)では11頭しかいないからその取捨が重大な問題になるというわけではないのだが、売れ線の種牡馬に苦手パターンを克服されると、候補が広がるばかりなので厄介だ。
それにしても、ハートレーの勝ち方は見事だった。4角手前でロードクエストを弾きぎみに進路を確保したあたりや、坂上で手前が替わってからの伸び方は将来の有望さを示していたと思う。今回他の人気上位馬が2〜7着を占めているあたりから見ても、この勝利は間違いなく価値のあるものだろう。