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実績馬?上がり馬?難解な中山金杯を徹底分析!

  • 2016年01月04日(月) 18時00分


◆前走から斤量増となる馬の好走も多い

 ハンデ重賞ということで斤量に目が行く中山金杯だが、最近は極端な軽ハンデ馬の好走が無いというか、そもそも極端な軽ハンデ馬の出走自体が激減している。相対的に斤量差の小さいメンバー構成で争われるため「背負う側」の不利が小さく、結果として前走から斤量増となる馬の好走も多い。

 フルーキーは前走が重賞勝ち、今回斤量増だが58キロにはならず57.5キロで許してもらえるというのは理想的な形。ただ気になるのは距離とコース形態だ。最近は1600mと1800mばかりを使われ、コースは東京・京都外回り・阪神外回りのいずれか。中山芝2000mに対応できるかが今回のカギとなる。馬券の中心に据えるかどうかは、地力で克服できると考えるかどうかだろう。

 ブライトエンブレムは菊花賞以来の出走。状態面には余裕がありそうだし、弥生賞で好走しているコースという安心感はある。問題は位置取り。最近の中山金杯は前半の流れが緩いことがあり、そうなると初手の位置取り次第では届かない危険もある。

 ヤマカツエースは2000mでコーナー4つの重賞を勝ってきたというのは好材料。ただ前走は捲り上げるタイミングがどんぴしゃだったし、2キロ増というのはやや微妙なところでもある。

 ベルーフは相手なりに走るタイプではあるが、勝ち切るための決め手がない印象もある。またこの馬も位置取りがどうなるかが問題だ。

 マイネルフロストは派手さこそないものの、強い相手と走ってもそれなりの着差に収まっている。馬券に絡んではいないものの、中山では人気以上に走っているケースも多い。昨年のこのレースでは6着だったが、今年は出走頭数がやや減ったことと自身の枠が多少内になったことで前半の位置取りを改善し、結果につなげたい。

 ネオリアリズムは、上がり馬としての魅力はある。ただ、前走は実質2ハロンの競馬で、今回要求される資質はまた別なものになりそうだ。札幌での競馬を見ると消耗戦でも戦えそうなので、いっそ前半が流れてしまってスロー志向の前走オープン組が弱体化するほうがよいかもしれない。

 ライズトゥフェイムも上がり馬タイプ。1000万条件時代に脚質転換して成功しているので、今回も後ろからの競馬だろう。あとはどれだけ捌けるかで、14頭というこのレースにしては少なめの頭数に加え、展開も味方につけたい。この馬が来るときは差し・差し決着が多いので、この馬を買う場合はブライトエンブレムやベルーフあたりを組み合わせるとよいかと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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