縦長のスローはないはず
今回も出走する
マイネルフロスト(父ブラックタイド)が先手を取って、ヤマカツエースの2着に粘った中山金杯は、2分01秒2の決着。芝コンディションは良かったが、マイネルフロストが大きく離して逃げていたにもかかわらず、実際のレースの流れは「62秒3-58秒9」の超スロー。同日の3歳未勝利戦の2000mが、「60秒8-59秒9」のバランスで接戦の2分00秒7だった。
近年、上のクラスになるほどスローで展開するレースが多くなりがち。というのは本当で、別にスローペースそれ自体が悪いわけではまったくないが、中山金杯や、先週の日曜の最終レース2200m(1000万下)など、前が飛ばしているわけではないのに、大きく離れて追走するグループの生じるレースは、人びとに不信感を与えかねない。スローペースなら一団に近い展開になって、かえって最後の追い比べの接戦や、小差の競り合いに見ごたえが生じる。ただ、スローの縦長の並びだけはかんべんしてもらおう。
ここは
スズカデヴィアス、早めに動いて不思議ない
ディサイファ、
ルルーシュなどが加わったから、縦長のスローはないはずである。
サトノラーゼンも置かれるタイプではない。
中山金杯では追い込み一手の弱みが出て、上がり32秒6を記録しながら4着止まり(0秒4差)だった
ライズトゥフェイム(父ゼンノロブロイ)に改めて期待したい。
父ゼンノロブロイ(その父サンデーサイレンス)の産駒は、大変な大物に間違いなかった第一期生のペルーサ(9歳)が、まだがんばっていたり(2月のダイヤモンドS目標か)、8歳ルルーシュが1年半ぶりに戻ってきたり(ライズトゥフェイムの隣に並んだ)、初年度産駒としてオークス馬となったただ1頭のJRAのG1ホース=サンテミリオンが、同着のオークスのあとなぜか横山典弘騎手に2度と戻ることはなく、以後【0-0-0-13】で引退するなど、さまざまな点で難しいが、先週、バウンスシャッセが愛知杯を実力勝ちしている。昨秋の菊花賞ではリアファルが1番人気(3着)に支持されるなど、懸命に評価落ちに反発している。2015年、種牡馬総合ランキング10傑以内に初めて登場してみせた。たしかに評価は下がっているが、走っていないわけではない。いま16歳。種牡馬の多くは「15歳前後」で優れた産駒を送ることがもっとも多い。ディープインパクトも、サンデーサイレンス15歳時の種付けで誕生した馬である。
有馬記念2500mを歴史的なレコードで勝ったゼンノロブロイの産駒で、母バラファミーまで4代も連続していた芦毛は、日本で一時代を築いたシーホーク譲り。殿下のハイホーク(インザウイングスの母)などが代表する牝系ファミリーにはスタミナ能力も十分にある。
追い込み一手だから、外回りは歓迎。サトノラーゼン(ベリー騎手)、ディサイファ(武豊騎手)が人気の中心なら、若い石川騎手、相手に不足はない。穴馬は、
ヤマニンボワラクテ。8歳ルルーシュも考えられているよりはるかにデキはいい。