安藤勝己氏が昔から言い続けているという深〜いアドバイスとは…
前回に引き続き、ルメールのエピソードを。はたしてジョッキーの新年会で披露したルメールの渾身のネタとは!? また、安藤勝己氏が昔から言い続けているという深〜いアドバイスについても語ります。
(取材・文/不破由妃子)
ジョッキーの新年会で、ルメールが黒板を持ち出して…
──(前回からの続き)武豊さんたちと合流する前、安藤さんと飲んでいらしたということですが、サシ飲みだったんですか?
小牧 いや、安藤さんと僕と鮫島良太とうちの娘と4人でご飯を食べていて。そのうち「ユタカくんを呼ぼう!」ということになってね。それで、ユタカくんに電話をしたら、一緒にいたルメールも合流してくれて。みんなで京都のワインバーに行きました。
──そもそもその日は、なんで安藤さんとお食事することになったんですか?
小牧 なんでやったかな? 確か京都でGIがあった日で…。まぁ「ちょっと飯でも食おうや」っていうことになって。安藤さんは本来、北海道に帰る予定だったんですわ。飛行機も予約していたみたいやから、「あれ? 安藤さん帰らへんのかな?」と思ったんやけど、いざ飲み出したらいつものごとく(笑)。
──なるほど(笑)。安藤さんと小牧さんのコンビは珍しいですよね?
小牧 そうやね。あとでうちの娘に聞いたら、安藤さんと僕が酔っ払ってすごかったらしいわ(苦笑)。全然覚えてへん…。安藤さんも絶対に覚えてないわ。あ、ルメールは途中で帰ったみたいやけど(笑)。
──ルメールはあまりお酒は飲まない?
小牧 いやいや、彼は飲むよ。競馬のあと、誰かがシャンパンを持ってきていて、調整ルームで外国人ジョッキーたちが盛り上がってたわ。そのときもルメールに「コマキ、飲んで!」って言われたんやけど、開催中は飲まんようにしてるから我慢してみました(苦笑)。
──ルメールもミルコも、日本語がメキメキ上達していますよね。コミュニケーションを取るのも、もう困らないのでは?
小牧 そのあたり、僕は前からテキトーやからね(笑)。でも確かに、彼らはだいたい日本語がわかってるみたい。そういえばこの前、関西騎手クラブの新年会があったんやけど、そこでルメールが厚切りジェイソンのネタをやってたわ(笑)。わざわざ黒板を使って(笑)。すごく練習をしたみたいで面白かったよ。“ルメール、なかなかやるな!”って、みんな盛り上がってたわ。
──それは見てみたい(笑)! 話は戻りますが、最近、安藤さんとは酒席でどんなお話をされるんですか? 一度お二人の対談をやってみたくて。濃い話がバンバン出てきそうです。
小牧 濃いやろねぇ。昔話から始まって。安藤さんに関しては、いろいろエピソードがあるわ。なんせ怖かったもん(笑)。
──私が知っている限り、安藤さんはいつもニコニコしてるんですけどねぇ。
小牧 いやいや、地方時代はホンマに怖かった。
──先日飲んだ際も、途中からはグダグダなのが目に浮かびますが(笑)、やはり競馬に関する真面目なお話もされるんですか? 小牧さんへのアドバイスとか。
小牧 そうやね。この前もそうやけど、昔から移動中のタクシーとかで、いろいろアドバイスをもらってました。安藤さんの言うことは、昔から一貫してるねん。「あんまり考えんでいいんや」って。「勝とうと思わんで乗ったほうが、馬は余計に走るんや」って。要するに、人間側の欲が馬に伝わってしまうことは、馬にとってはマイナスでしかないということやね。
──安藤さんの言葉はすごく深いですよね。勝負の世界において、達観していないと言えない言葉だと思います。
小牧 本当にそう。僕が「楽しんで乗りたい」っていうのはそういうことなんやけど、なかなかそこまでの精神状態にはいけんよ。
僕が「楽しんで乗りたい」っていうのはそういうことなんやけど、なかなかそこまでの精神状態にはいけんよ
【次回の太論は!?】
ユーザーからの質問に答える形で、急きょ乗り替わりとなった朝日杯フューチュリティSの回顧を。そのなかで「手応えがあるなかで進路が開くのを待つ」ときの心理状態に話が及び──。ジョッキーの深層心理に迫ります!