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近走重視?脚質重視?根岸S有力馬の強みと弱みを斬る!

  • 2016年01月29日(金) 18時00分


◆とにかく差し・追い込みが強いレース

 武蔵野Sの2,3,5着馬が出ている今年の根岸Sだが、当時は前残りの色彩が強いところに勝ったノンコノユメだけ差し込んできた形。同馬さえいなければ……と考えたくなるところだが、根岸Sはとにかく差し・追い込みが強いレース。馬場状態と関係なく後ろから来る馬が届きやすい。近況成績を取るか、脚質重視でいくかというところが問題だ。

 人気になりそうなモーニンは、4連勝でオープンに来た馬だし素質は明らか。フェブラリーSへの出走を確かなものにするためにもここは連対がほしいところだろう。ただ、先述したようなこのレースは差しが届きやすい。また、前走で先着されているタガノトネールがいるにも関わらず人気になるというのは、ちょっと損な気もする。

 そのタガノトネールは南部杯2着馬でもあり、こちらも地力は明らか。問題点はモーニンと同様で位置取り。両馬とも差しに回って好走した経験がほとんどない。穴党ならこの2頭を思い切って蹴ってみるか、来ても片方という想定で買ってみる手はある。

 アンズチャンプロトコルはともにコース好走歴が豊富で、オープン好走歴が無いという立場。アンズチャンのほうは脚質的にはこのレースにぴったり。前走は中山なのでノーカウントとすることもできる。ただもともと差して僅かに届かないことも多い馬なので、買う場合も2,3着と想定してみたい。

 プロトコルはこのコースで3勝。ただ、準オープンからいきなりここというのは、過去の事例だとそう簡単ではない。また位置取りがどうなるかも微妙。前走をよしとして控えに行くならこのレースにフィットするだろうが、以前のように前付けしていくならば差し勢に屈する可能性もある。

 サクラエールタールタンはともに前走オープン特別好走組という共通項がある。脚質的にはサクラエールのほうが確実にこのレースには合いそうで、タールタンは4〜5番手を選ぶ可能性もある。タールタンのほうは既に重賞にも顔を出して負けてしまっているので、サクラエールのほうが幻想を許容できるというか、「ひょっとしたら」と期待できる存在となる。個人的にはサクラエールのほうに期待している。

 レーザーバレットはここへ来て重賞好走を連発しているが、それらはすべて地方側で行われたダートグレードレース。前走地方から根岸S、特に兵庫GTから根岸Sというのは好走例の少ないパターンなので、あまり強気にはなれない。

 グレープブランデーは近走の内容を見る限り、いきなりの復活は難しいと見る。この馬が好走するとしたら、1700m以上の距離で好位置を取る形だろう。複穴で押さえておきたいのがマルカフリート。昨年は14番人気7着だったが着差は限定的で、展開の追い風があれば3着を拾える可能性はある。こういうタイプの追い込み馬がひょっこり好走するのが根岸Sだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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