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今年の中山記念は穴党も頑張れるレース!

  • 2016年02月26日(金) 18時01分


◆興味深いロゴタイプと田辺騎手の新コンビ

 今年の中山記念はかなりの好メンバーだが、人気の4歳馬は2頭とも差しタイプで休み明け、そして極端な距離短縮。負けたら負けたで理由になりそうなものがあるだけに、穴党も頑張れるレースだ。

 ダービー馬ドゥラメンテは骨折休養明け。トウ骨遠位端の骨折なら完治後の競走能力に響くことはないと思う。それより問題は距離と位置取り。牡馬クラシック馬が1800mを使ってきたケースは意外と勝ちきれないし、さらにこの馬は器用さではなく底力で勝負するタイプ。器用さも必要な中山芝1800mが合うかどうかは分からない。個人的にはシルシこそ打つものの、1着はない前提の馬券を買ってみようかと思う。

 リアルスティールは折り合い云々が言われていた馬だけに、1800mは乗りやすい面があるかもしれない。ただ、こちらも位置取りが気になる。中山記念は逃げ・先行馬が強いレース。「1800mでも初手は溜めて」という発想より、「1800mの流れなら、出していっても大丈夫だろう」という競馬をしたほうが結果には繋がりやすいのではないだろうか。

 イスラボニータは昨年人気を裏切っているが、1分50秒かかる馬場と序盤の極端な緩さが向かなかったようにも思える。今回は人気を背負う後輩たちがいて、思い切った競馬もできる状況。いちょうS〜ダービーくらいの頃の位置取りでレースを進めてもよいのではないだろうか。

 アンビシャスは休み明けが良いリセットになっていれば怖い存在なのだが、昨秋イスラボニータに2回先着されているというのは痛いところ。展開が向けば……と考える手もあるが、そうなると脚質が重なるドゥラメンテやリアルスティールとの戦いになってしまう。難しいところを抱えた存在だと思う。

 ロゴタイプは田辺騎手との新コンビが興味深い。今回は逃げ馬がおらず、脚質的に逃げてもよさそうなマイネルラクリマが長期休養明け。この馬あたりが腹をくくって逃げてもよいし、中山記念は逃げ馬が結果を出しているレースでもある。上位人気馬と違ってこの馬は1800mがベストに近いし、上位食い込みを期待したい。

 フルーキーは格の面では一枚落ちるのだが、鞍上の戸崎騎手がとにかくこのコースと好相性。常に良いところにはいる馬だけに。人気上位馬の取りこぼしがあった場合の3着候補には考えられる。

 残る馬たちでは、どれが怖いというより、もし腹をくくって逃げてくるような馬がいたらそれが怖い(ただし誰がそれをやりそうかは予想しようがない)。東京新聞杯のスマートレイアーのようなこともあるし、そもそも競馬は前からのほうが奇跡が起こりやすい競技でもある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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