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「どっちに行っても同じ騎手」ダイアナヘイロー国分優ぞっこん/吉田竜作マル秘週報

  • 2016年03月09日(水) 18時00分


国分優は「(どっちに行くにしても)馬についていきます」

 先月いっぱいで武田、橋口弘、松田博厩舎が解散。特に松田博、橋口弘はPOGでも常に上位人気馬を抱えていたブランド厩舎だけに、“計算が立たなくなった”と途方に暮れている方もいるのではないか。しかし、代わって開業した3厩舎もポテンシャルは高い。将来的にはPOGの要チェック厩舎になると予想している。

 父の厩舎スタッフ、管理馬をそっくりそのまま受け継いだ橋口調教師の信頼度が高いのは言うまでもなかろう。

 “ナベちゃん”こと渡辺調教師はナリタトップロードの主戦を務めた男。沖厩舎時代から培った丁寧な馬づくりに、松田博厩舎でラストインパクトらを手がけた野元助手(エイシンルーデンスのパートナーとして重賞勝ちも収めた元騎手)ら、優秀なスタッフが加わるのも何とも心引かれる。

 斉藤崇調教師は前出2人に比べるとネームバリューこそ落ちるが、松永幹厩舎時代にブエナビスタの好敵手レッドディザイアを主に担当。調教師試験合格後は藤沢和厩舎に赴き、スピルバーグの英国遠征などにも携わったやり手だ。

 ついでに言えば、東京・武蔵境で育った記者からすれば、日本獣医畜産大(現日本獣医生命科学大)卒の彼は、妙に身近に感じられつい応援したくなる。

 それぞれに元名門厩舎のスタッフがいる、この3厩舎は恐らくそれほど苦労することもなかろうが、個人的に注目しているのは調教スタイル。例えば松田博厩舎の管理馬がウッドで本追い切りを行ってきたのに対し、橋口弘厩舎は坂路追いが代名詞にもなっていた。この手の“色”を持った人馬がシャッフルされた結果、プラスとなるのか、マイナスとなるのか。

 名門厩舎といえど、あらゆるタイプの馬の才能を最大限に引き出すのは不可能と言っていい。このシャッフルで“化学反応”を起こす馬が出ないとも限らないわけだ。それだけに新規3厩舎がどのような調教パターンで仕上げていくのか。2歳馬を選ぶ際のポイントにもなるだけに、皆さんも注意深く見守っていただきたい。

 今週は牝馬戦線のトライアルが盛況。東西でアネモネS、フィリーズレビューが行われるが、両レースにダブル登録している馬が例年通り数多い。当然、中山か、阪神かで騎手も替わるのが普通だが、唯一「どっちに行っても同じ騎手」で臨む予定になっているのが、キャリア2戦目のエルフィンSでレッドアヴァンセの2着に健闘したダイアナヘイローだ。

「国分優がどっちに行くにしても“馬についていきます”と言うから」と福島調教師。それだけ国分優がこの馬にゾッコンなのだろうが、3場開催でどの競馬場でも人手不足。この国分優担当の某エージェントは大わらわで、最終的にどちらに決まっても「断りで頭を下げたり、怒られたりするんだろうな。まあそれがウチらの仕事だから」。

 いずれにせよ福島調教師は「中山なら距離的にも楽にハナに行けるだろうし、関東馬相手ならという気持ちもある。阪神だと距離は1ハロン短くなるけど、前走は控える形でレースができたから対応可能でしょう。まあ(桜花賞の)権利が取りやすい方に出るつもり」と強く桜の舞台を意識している。となると、やはり相手関係の吟味などでギリギリまで出走レースは決まりそうにないが…。裏を返せば騎手同様、それだけ調教師も手応えがある証し。どちらに出てきても要チェックなのは間違いない。

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