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賞金加算してこの後のローテをスムーズに

　2着までに「桜花賞の優先出走権」が与えられるトライアルだが、過去10年、ここをステップに桜花賞で好走したのは、08年ソーマジックの「アネモネ1着→桜花賞3着」があるだけ。連対したのは、02年のアローキャリーがここをステップに、13番人気の桜花賞を勝ったのが最後である。「もしここで1〜2着できるなら、そのときは桜花賞に出走したい」。そんな控えめな展望で出走してくるグループが多い。

　今週、この「アネモネS」と、土曜の阪神9R「ゆきやなぎ賞」2400mにダブル登録したメイショウタチマチ(父スペシャルウィーク)は、距離1400mの「フィリーズR」には特別登録していなかった。

　阪神2000mの新馬を勝ち、2戦目の福寿草特別2000mはきさらぎ賞3着のロイカバードの半馬身差2着。前回の東京1800mのセントポーリア賞は、素質馬サトノキングダム(2戦2勝)の半馬身差2着。当然、オークス候補に数えられて不思議なく、1400mのトライアルには特別登録なしは当然だろう。

　河内調教師は、騎手時代に4勝もした桜花賞男。できることなら桜花賞にメイショウタチマチを送り込みたいが、必ずしも1600mOKとはいいがたいところもあって、控えめというか、迷っている部分もあるように思える。

　男馬のサトノキングダムは相当な素質を秘めているので、同馬と接戦の総合力の高さで、この1600mは十分こなせると考えて中心にした。1着賞金1900万のここを勝てば、確実にそのあとがスムーズに展開する。1600mを勝ったのだから、桜花賞に胸を張って挑戦できる。出走しなくたっていい。ただし、アネモネS2着では桜花賞の出走権は確保できるが、賞金加算はないから、桜花賞に「出走しなければならない」というトーンになる。

　その桜花賞で4着以内なら、オークスの優先出走権が得られるからいいが、今年は上位は強力。1600mのスピード勝負で負けて5着だったりしたら、あとが大変である。1勝馬で条件賞金は400万円のまま。桜花賞よりもっと気があるオークスに出走するためには、500万勝ちでは心もとないから、オークストライアルの「フローラS」「スイートピーS」あたりに出走権を懸けて出走しなければならなくなる。桜花賞のあとにそれをすると、事態は悪い方に悪い方に向かう危険が大きくなる。日程が詰まっては、近年のオークスは快走できない。

　枠順が発表されたら、なんと1番枠。ふつうは中山1600mの内枠は幸運の馬番だが、ここが初距離で、2000m〜1800mを使ってきたメイショウタチマチには、一族にはスピード型が多いとはいえ、中山のマイルの1番枠は吉凶半々かもしれない。好位につけられるだろうか。決まったものは仕方がない。なんとかここを勝ち上がり、そのあとがスムーズに展開することに期待したい。