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活力あるスピード牝系に属すエイシンリキュウ

  • 2016年03月16日(水) 12時00分
【3歳】
エイシンリキュウ(牡 栗東・野中賢二 父キングカメハメハ、母エイシンルーデンス)
 全姉エーシンエムディーは芝短距離で準OPまで出世し、半姉エーシンリジル(父フレンチデピュティ)は北九州記念(GIII)2着馬、半兄エイシンイダテン(父エルコンドルパサー)は準OP馬と、兄弟はコンスタントに走っている。本馬を産んだとき母エイシンルーデンスは17歳と高齢ながら、孫世代のエイシンヴァラー(OP)、エイシンバッケン(準OP)も優れた競走馬となっているように活力が旺盛なので、まだまだ走る馬を出せるはずだ。Better Self、Jacinto、トウショウボーイ、サンデーサイレンスと、代々スピード豊かな種牡馬を掛けてきているので、確実性の高いスピードタイプとなりそうだ。芝向きのマイラー。

サクラグレイス(牝 栗東・羽月友彦 父ハービンジャー、母サクラメガ)
 半兄サクラメガワンダー(父グラスワンダー)は、金鯱賞(GII)、鳴尾記念(GIII)[2回]、ラジオたんぱ杯2歳S(GIII)の勝ち馬。母サクラメガは、GIを勝ったサクラチトセオー、サクラキャンドルの半妹にあたる良血。サクラメガの半姉サクラプレステージの子にはフラワーC(GIII)を勝ったサクラプレジールがいる。勢いのある一族だ。サンデーサイレンスとノーザンテーストを併せ持つハービンジャー産駒は堅実に結果を残しており、ベルーフ(15年京成杯-GIII)、トーセンバジル(15年神戸新聞杯-GII・3着)、ポトマックリバー(OP)、スティーグリッツ(準OP)といった活躍馬が出ている。内回りや小回りコースの芝2000mがベスト。

シャイニンカーラ(牝 栗東・高橋亮 父ヴィクトワールピサ、母シャイニンオーラ)
 3代母シャイニンレーサーはマーメイドS(GIII)の勝ち馬でフジキセキの半姉。2代母シャイニンルビーはクイーンC(GIII)の勝ち馬。母シャイニンオーラは、シャイニンルビーがアメリカへ渡った際に誕生したので、父キングカメハメハながら外国産馬の扱いとなる。その後日本にやってきて競走馬となり、JRA未勝利に終わった。父は新種牡馬ヴィクトワールピサ。牝馬クラシック戦線の主役級であるジュエラーを筆頭に、ジョルジュサンク、ナムラシングンなど将来性豊かな産駒を送り出している。本馬はサンデーサイレンス3×3、Mr.Prospector 4×4などのクロスを持つ。芝向きのマイラーだろう。

プレイフォーユー(牝 栗東・斉藤崇史 父ハーツクライ、母レディオブチャド)
 母レディオブチャドはフランスで走り、マルセルブサック賞(仏G1)、アスタルテ賞(仏G2)、グロット賞(仏G3)を制した名牝。繁殖牝馬としてはジュエルオブナイル(父デュランダル/小倉2歳S)、アフリカンビート(父サンデーサイレンス/準OP)、ボーダレスワールド(父ダンスインザダーク/準OP)などを送り出している。確実にスピードを伝える繁殖牝馬なので、デビューを果たした8頭の産駒のうち7頭が勝ち上がっている。計算が立ちやすい血統だ。本馬の父は芝の中長距離を中心に実績があるハーツクライ。しかし、母方のスピードが勝ってスプリンターやマイラーとなりそうだ。

ボンニデー(牝 栗東・渡辺薫彦 父キングカメハメハ、母スポークンファー)
 母スポークンファーは北米で走り12戦5勝。マザーグースS(米G1)、CCAオークス(米G1)を勝ったほか、アラバマS(米G1)3着、ガゼルH(米G1)3着などの成績を残した一流牝馬。母の父Notebookはやや一本調子なところがあるものの、北米リーディングサイアーEl Pradoの従兄弟で、名血Droneの甥にあたる。2代母の父Siberian Expressは仏2000ギニー(仏G1)の勝ち馬で大柄な馬格を伝える。本馬はダート向きの中距離タイプで、ダ1700〜2000mがベストだろう。芝でやれるとしたら1200〜1400mあたりの短距離戦か。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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