最終レースでは一頭での誘導も
美浦の鈴木伸尋厩舎に所属していたスターシップを覚えていますか?2006年7月に新潟競馬場でデビューし、中央では1700m以上の距離で6勝。2009年6月の帝王賞では地方競馬初参戦で5着に入りました。
地方では船橋競馬場の出川克己厩舎に所属。2012年1月の報知オールスターカップから始動し移籍初戦で重賞初制覇を飾ると、南関東競馬の重賞レースの常連馬として常に高いレベルで走り続けました。
2013年の報知グランプリカップゴール前
担当の宇田川厩務員に引かれて、2本目の肩掛け姿
掲載している写真は2013年2月の報知グランプリカップ優勝時です。芦毛ながらも馬体とタテガミは真っ白で、ひと際目立つルックスも人気を集めました。
10歳まで現役を続け、2014年6月の京成盃グランドマイラーズを最後に引退。その後は船橋競馬場の誘導馬が普段過ごしている千葉県千葉市若葉区の殿山ガーデン乗馬クラブの一員となりました。
先日うれしい出来事があったんです!!!今年12歳になったスターシップが、自身も現役時代に走ったダイオライト記念の当日に、念願の誘導馬デビュー。
船橋競馬場は速く走ることを教えられてきた場所ですが、今は真逆なことを要求されます。騎乗者の高階さんを背に、「もう走らなくていいんだよ」ということを改めて教えられながら、走ろうとする気持ちをグッと抑えて一生懸命歩いていました。
最初は先輩誘導馬のウルスさんにエスコートをされながら、初々しい姿でお仕事をしていましたが、ひとレースごとにどんどん上手になっていき、この日のダイオライト記念は一番と言ってもいいくらいの立派な動きを見せました。最終レースはウルスさんのエスコートなしで、初めて一頭での誘導となったのですが、しっかりしたパフォーマンス。
スターシップも現役時代に走ったダイオライト記念で、今度は誘導馬として登場
先輩誘導馬のウルスさんのご指導の下、一生懸命頑張っていました
出川調教師も担当だった宇田川孝彰厩務員も時間を許す限りスターシップの様子を見に来て、愛おしそうに見守っていましたよ。
今回は急きょデビューを迎えたんですが、それにも関わらず、お仕事を休んでまでも会いにきたファンたちやネットでも待ち望んでいた書き込みも多く見られ、改めてたくさんの人たちがスターシップの誘導馬デビューを待っていたんだなぁと。
「初日にしては合格点ですよ」と誘導馬関係者からもお褒めの言葉が出ていました。現役時代からものすごく頭がいい馬と言われてきただけに、一回ごとにどんどん上手になっていった姿はさすがでした。
この日は悪天候の中で行われましたが、昨年から船橋競馬場もナイター開催が始まったので、照明に照らされてさらに光輝くスターシップの美しい姿に会えることを、これから楽しみにしています!
船橋競馬場の顔として人気者になって欲しいです!
さぁ、南関東競馬もいよいよ3月23日(水)に南関東牝馬一冠目桜花賞(浦和・1600m)が実施されます。今年は山崎誠士騎手が手綱を取るモダンウーマン(川崎・佐々木仁厩舎)がここまでの圧倒的な強さから、どんな勝ち方をするかと言っても過言ではないレース。
前哨戦のユングフラウ賞ではそのモダンウーマンの2着に入ったポッドガゼール(川崎・八木正喜厩舎)は中央出身馬。美浦の武市康男厩舎に所属して1勝を挙げ、その後は南関東のクラシックを目標に移籍。
前走ユングフラウ賞でのパドック
桜花賞の枠順も出ましたが、かなり不利があると言われる1600m戦の大外枠(8枠10番)に入ってしまいました。鞍上は、あっと驚く騎乗で魅了している若手の有望株、中野省吾騎手。南関東リーディング5位に入って絶好調なだけに、このハンデもどうエスコートをするのか興味深いです。
南関東競馬もクラシック戦線に突入していきます!
次回は4月4日(月)にお会いしましょう!